国道152号線                

①快適さ→★★★★(ほとんどの道は混雑はしていないが、観光シーズンは注意)
②退屈度→★★★★★(退屈的な道は浜松市内ぐらい)
③整備度→★★★(2つの不通区間と狭路も多く残っている)
④景色→★★★★(茅野市辺り,天竜川沿いの景色は抜群だが、大鹿村,飯田市は山の中)
⑤施設→★★(かなり店がない区間もあり要注意)
⑥観光地→
★★★★★(霧ヶ峰,白樺湖,高遠城下町,分杭峠,水窪,秋葉山など多数) 
総合評価点
76
正規区間 起点 長野県上田市(大屋)  終点 浜松市東区(北島)  248.4km
実質区間
(端末重複区間) 
 
起点側 なし    0.0km 248.4km
終点側 なし    0.0km
重複区間
単独キロ 
 
上位 国道142号線⇒長野県長和町(長久保~大和橋) 1.2km   1.2km 247.2km
下位 国道254号線⇒長野県上田市(腰越上)~長和町(有坂) 3.5km
国道473号線⇒浜松市天竜区(大井橋~山東) 28.2km
国道362号線⇒浜松市天竜区(山東)~浜北区(根堅) 4.4km
  
0.0km
未開通区間 長野県飯田市(地蔵峠~上村)
 蛇洞林道によって迂回可能(ただし冬期閉鎖) 
0.0km
長野県飯田市(南信濃八重河内)~浜松市天竜区(水窪町奥領家)
 兵越林道によって迂回可能(ただし冬期閉鎖)
0.0km
海上区間 なし   0.0km
本線に並行する
主なバイパス 
 
浜北バイパス   浜松市天竜区(飛龍大橋北)~浜北区(中瀬四塔) 4.0km
 
新東名高速の開通に合わせて順次建設中
経由地 長野県 上田市,長和町,茅野市,伊那市,大鹿村,飯田市   
静岡県 浜松市
道の駅 (1)マルメロの駅ながと(長野県長和町)【長野北-10】
(2)南アルプスむら長谷(長野県伊那市)【長野南-6】

(3)遠山郷(長野県飯田市)【長野南-11】
(4)天竜相津花桃の里(浜松市天竜区)【静岡-13】
接続国道・高速道 【長野県上田市】→国道18号線(長野・上越方面/軽井沢・高崎方面) 国道254号線(松本方面)
【長野県長和町】→国道254号線(佐久方面) 国道142号線(諏訪・岡谷方面/佐久方面)
【長野県茅野市】→国道299号線(佐久・秩父方面) 国道20号線BP(富士見・甲府方面)
【長野県伊那市】→国道361号線(伊那市街・木曽福島方面)
【長野県飯田市】→国道474号線:三遠南信道(飯田方面) 国道418号線(天龍・恵那方面)
            (国道256号線は誘導標識はあるが最初から通行不能区間)
【静岡県浜松市】→国道473号線(佐久間・東栄方面) 国道362号線(秋葉・川根方面/三ヶ日・豊川方面)
            新東名高速(浜松浜北IC:2012年夏開通)
            国道257号線(新居町方面/新城・設楽方面) 国道150号線(御前崎・焼津方面)
            国道1号線(静岡・東京方面/豊橋・名古屋方面)

●実走レポート(2010年5月 終点⇒起点への逆行) 

この国道は酷道ファンに取っては昔から有名で、100番台の道路でありながら、未だに不通区間が2ヶ所もあります。浜松から長野県に向けて走る道で、起点の浜松が海に近いので標高が0m近くから、標高1400m以上の峠もあり、高低差もあります。南半分は三遠南信道と並行するため、改良された道ができており、実際に走ってそれほどびびるような場所はありませんでした。
152号線は現在は248.4kmもあり28番目に長い路線ですが、歴史があるようです。元々は浜松市~飯田市の路線で、経路も愛知県東栄町を通って151号線と重複していたので実質的にかなり短小路線に近かったと思います。1970年に長野県上村経由に変わり、青崩峠と小川路峠の不通区間ができました。さらに1993年には長野県上村~茅野市の256号線が152号線に変更され、茅野市~上田市の大門街道を県道から152号線に昇格し現在の長大路線になっています。飯田市~上村は256号線の単独区間になりました。
浜松市は1号線の天竜川西詰になる北島交差点から始まります。元々は1号線だった道ですが、市内を外したバイパスが全通し、152号線と257号線に格下げになっています。浜松の市街中心部(連尺交差点=旧来の152号線終点)からは北に向かいます。旧:浜北市を通り、旧:天竜市までは住宅街を通るため、比較的交通量もあります。根堅交差点から362号線との重複区間になりますが、天竜川を渡る鹿島橋がちょっと狭いのと、新東名のICの関係で東側にバイパスを順次造っています。山東交差点で362号線から473号線との重複に変わると、しばらくは天竜川沿いに北上します。船明ダム・秋葉ダムとダム湖沿いの道が続きます。
この152号線は静岡県はかなり走りますが、現在は全部浜松市になりました。交通量も極端に少なくなりますが、道自体はまだ走りやすくなっています。473号線と分岐する大井橋交差点から天竜川の支流になる水窪川に沿った道になり、水窪の中心部を過ぎて、初めて狭路区間が出現します。この付近で標高500m位まで上がりました。この先の青崩峠が県境になりますが、字の通り崩落が激しく、トンネルもできていません。それでも技術の進歩から現在は4000m級のトンネルを掘っているらしいです。現在は兵越林道を走れば長野県側に入れます。
長野県は最初が旧:南信濃村で次が旧:上村ですが、中国でいえばチベットみたいなところです。418号線の天竜村方面以外は不通区間ばかりで、迂回路も含め冬季は雪閉鎖で通行できません。二つ目の地蔵峠への道がもう一つの不通区間になりますが、これを迂回する蛇洞林道を走ると、地蔵峠に着いてそのまま152号線になります。どうせならこの林道を暫定的でも国道にすれば不通区間が解消できると感じました。
地蔵峠を超えると、大鹿村に入りますが、この村も国道側は両方向とも冬季閉鎖になり、松川町に行く県道だけが唯一のライフラインになります。国道もほとんどが狭路区間になっています。3つ目の分杭峠が標高1420mで全線で2番目の最高地点です。最近、パワースポットと話題の場所で、車がたくさん来ていました。ここからは道も整備されてかなり走りやすくなります。城下町になっている伊那市高遠町を抜けると、4つ目の峠になる杖突峠になります。標高は1247mもありますが、伊那から茅野へのショートカットルートなので、通年で走行できます。峠からの八ヶ岳や諏訪湖の展望が抜群ですが、500mを一気に下るので、茅野までの下り坂は冬はかなり怖いと思います。
茅野市内には20号線との重複区間があったのですが、茅野有料道路が無料解放されて152号線になったため、重複区間がなくなり、しかも20号線の本線とはトンネルで交差しなくなりました。ここから白樺湖・霧ヶ峰に向けて走り、最後の大門峠が標高1441mで最高所になります。ここは白樺湖周辺のスキー場がたくさんあるために、通年で走行は可能なように対応していますが、急坂であるがゆえに冬場の凍結路面は要注意と思います。夏場は避暑リゾートでは最適な場所で、白樺湖のそばも通ります。大門峠からは高原の中を下り一方のルートで、道もきれいに整備されているので、途中142号線,254号線と交差しながらあっという間に終点の上田市に入り、18号線の大屋交差点で終点になります。


●沿線フォトギャラリー
1・2→浜松市の北島交差点は1号線から分岐しますが、インターチェンジ形式になっています。(写真は県道側から撮影) 3→152号線から格上の150号線が分岐するようになっているのは、152号線がかつての1号線だったからです。
4→浜松市の中心部付近です。 5→この連尺交差点がかつての152号線の起終点になります。ここから旧1号線は257号線になります。 6→従ってここで初めて152号線方面の距離が表示されます。天竜も現在は浜松市に属しており、長野県境まで浜松市しか通りません。
7→すぐに郊外の道になり、家よりも田畑が目立ちます。 8→浜北区の北まで続いた4車線区間はここで終わりです。2012年に新東名高速が開通すればさらに延伸し、天竜区まで伸びる予定です。 9→根樫交差点で362号線が合流し重複区間となります。
10→鹿島橋で天竜川を初めて渡ります。安全運転の標語がすごく目立つところにあります。 11→4kmほど続いた362号線との重複区間が終わり、ここからは473号線との重複区間になります。 12→473号線とは天竜川沿いに28kmも重複します。
13→ダム湖の横を快適に進む道が続きます。 14→最初の道の駅になる「天竜相津花桃の里」です。ちんまりしていました。 15→国道2つと県道の3本串刺しの標識は非常に珍しいので撮ってしまいました。
16→天竜川では佐久間ダムに次いで大きな秋葉ダムです。この先にダム近くのトンネルがありますが、トンネル内に交差点がありました。 17→ダム湖の景色も少し飽きてきた感じです。 18→ここで飯田までの距離が表記されていますが、どこを通る距離なんでしょうか?152号線経由にしても県道(=天竜峡)経由にしても大変な道です。
19→長く続いた473号線と分岐し、単独区間になります。 20→いきなりでてきた狭路区間です。やはりこれが152号線の真の姿でしょう。 21→しかし旧:水窪町の付近はまた2車線になっています。ここからは市街地がしばらくないので、給油や食事は当分できるところがありません。
22→水窪の市街地の北はほとんど狭路区間です。 23→いきなりきれいな道になったところが行き止まり区間との分岐です。直進方向は国道474号線の指定から外れました。 24→行き止まり道も152号線から林道に変わっています。
25→舗装道路はここで終わりダート道になります。(ここから徒歩で対応) 26→さすがに車が通るのはきついです。 27→ここからはどう考えても車は通れません。峠まで徒歩で5分です。
28→階段もありました。 29→武田信玄が腰掛けたといわれる伝説があるようです。 30→この橋も一応国道扱いになるのでしょうか?
31→ここが静岡県・長野県境の青崩峠です。現在三遠南信道(=474号線)がこの峠の下をトンネル工事しています。 32→長野県側の下り道の方がかなりきついです。 33→いまにも落ちそうな腐ったような丸太橋もありました。
34→車が見えてきたのでここが不通区間の終点になります。 35→写真24の左側の道です。 36→この草木トンネルのカーブがきついことも474号線の指定を外れた原因の1つになっています。
37→兵越林道の合流点ですが、ここまで152号線扱いになっているのでしょうか?
標識や道路地図はそのようになっています。
38・39→兵越林道の県境です。静岡県の標識に比べると長野県の標識はあまりにもお粗末ですね。
40→写真34からの続きです。舗装されていると言っても放置状態なので、剥がれてダートと変わりない状態です。 41→どう見てもダートでしょう… 42→ガードレールもないので夜にこんなところは恐ろしくて走れません。悪天候も何が崩れるかわからんし、ムリかな…。
43→このぐらいになると舗装面はだいぶ良くなりましたがガードレールは全くなしです。 44→ここが兵越林道との合流点です。 45→ここからは狭路ですがそこそこ走りやすくはなっています。
46→キングオブ酷道といわれる418号線の分岐です。418号線はここが端点になっています。 47・48→道の駅「遠山郷」は旧:南信濃村の中心部にあり、秘境みたいなところですが、割と観光客はいました。さすが道の駅ですね。
49→しばらくは走りやすい道が続きます。 50→256号線の標識はありますが、いきなり不通区間になっており、当然ですがどこに行くかの表記もありません。 51→道路改良の工事もこんな山奥でも進んでいます。
52→飯田市内には256号線が不通のため474号線を使うしか手段がなく、ここが分岐になっています。 53→152号線は2つめの通行不能区間になるため、大鹿村に抜けるためには右方向の蛇洞林道で迂回する必要があります。 54→端部区間も結構立派な道になっています。
55→と思いきや、やはり狭路になり落石もありました。 56→これ以上先は道もないので車を進めることはできないので、引き返しました。 57→蛇洞林道で迂回すると標高1314mの地蔵峠まで行くことができ、いきなりここから152号線になります。
58→この真下に下りているけもの道みないなものが152号線で写真56のところに続くようです。 59→5月ですが山桜も咲いていました。 60→急なヘアピンカーブの連続で一気に下ります。
61→大鹿村の中心部付近はまた2車線の走りやすい道になります。 62→茅野までまだ61kmもありますが、不通区間の探検などで時間を取ってしまい、日没までに着くか微妙なところになってきました。 63→鹿塩川沿いの道は狭路ではありますが、見通しも良くサクサクと走ることができます。
64→分杭峠への登り道は舗装状態も少し悪くなっています。冬期は閉鎖される区間です。 65→標高1424mの分杭峠はこの路線で2番目の高所です。ここが最近パワースポットとして人気が出て観光客が訪れるようになりました。 66→伊那市側はまた急なヘアピンカーブの連続になっています。
67→分杭峠付近は駐車スペースがないため、パワースポットに訪れる人のためにシャトルバスがここから発着しています。 68→道の駅「南アルプスむら長谷」です。山小屋風で雰囲気が良かったのですが、私が行った時は営業終了時間を過ぎていました。 69→国道361号線はここが起点で岐阜の飛騨高山まで続きます。
70→杖突峠へは走りやすい2車線の道になっており、伊那~諏訪・茅野の抜け道としても使われています。 71→標高1247mの杖突峠は冬期閉鎖もありません。 72→ここで初めて終点となる上田市までの距離が表示されました。
73→しだれ桜もまだ満開で残っていました。 74・75→杖突峠を越えたところにある展望台から、諏訪市・茅野市が一望できます。夜景も結構きれいと思います。
76→20号線諏訪バイパスと交差する新井交差点です。20号線は本線とはトンネル内で交差するため繋がっていません。 77→元々は茅野有料という有料道路だったため、料金所のスペース分だけ少し広くなっています。 78→茅野から上田は観光地を通るため走りやすい道になっています。
79→メルヘン街道と呼ばれる299号線は直進し、白樺湖方面への152号線は左に曲がります。 80→少しだけですが狭い1.5車線くらいの場所がありました。 81→大門街道を上る急坂区間です。冬場もスキー場がたくさんあるため閉鎖になりません。
82→遠くに見える雪山は八ヶ岳連峰です。 83→修学旅行でも来たことのある白樺湖ですが、何かあまりぱっとしないのはなぜでしょうか? 84→標高1441mの大門峠が152号線の最高点になります。昔有料道路であったビーナスラインのドライブウェイと交差します。
85・86→大門峠を越えるとあとは上田市に向けてひたすら下るだけの道になります。 87→大和橋交差点で142号線と合流し、少しだけ重複区間になります。
88→長久保交差点で再度単独区間になります。 89→道の駅「マルメロの駅ながと」です。営業開始時間前の早朝なので訪問者は少なかったです。 90→道の駅の近くにある254号線との分岐点になる有坂交差点です。この道路の端部は東京の都心なのでこの風景からは想像ができません。
91→上田市側の254号線の分岐です。 92→あと上田市内まで10kmで終点が見えてきました。 93→18号線の大屋交差点で終点になります。248kmの長い道のりでした。