国道170号線                 

①快適さ→★★(各所で渋滞が発生し走りにくかった)
②退屈度→★(すごい単調な道)
③整備度→★★★★(新道は★★★★★だが旧道は★★★)
④景色→★★(後半にりんくうタウンを望むところは景色が良いと思う)
⑤施設→★★★★★(不便なものは何もない)
⑥観光地→★★(藤井寺,滝谷不動,関西サイクルスポーツセンターなど)
 
総合評価点
48
正規区間 起点 大阪府高槻市(八丁畷) 終点 大阪府泉佐野市(上瓦屋) 73.7km
実質区間
(端末重複区間)  
起点側 なし 0.0km 73.7km
終点側 なし 0.0km
重複区間
単独キロ  
上位 なし 0.0km 73.7km
下位 国道480号線⇒大阪府和泉市(槇尾中南~大野町北) 1.9km    0.0km
未開通区間 なし   0.0km
海上区間 なし   0.0km
本線に並行する
主なバイパス・旧道 
 旧170号 大阪府寝屋川市(木屋南)~大阪府熊取町(熊取) 67.5km
 ほぼ全線に渡り新道(大阪外環状線)と旧道が存在する。国道標識にも「旧170号」と明記されたものもある。
経由地 大阪府 高槻市,枚方市,寝屋川市,四条畷市,大東市,東大阪市,八尾市,柏原市,藤井寺市
羽曳野市,富田林市,河内長野市,和泉市,岸和田市,貝塚市,熊取町,泉佐野市   
道の駅 (1)しらとりの郷羽曳野(大阪府羽曳野市:南阪奈道路の交差点から府道32号線を西へ2km)【大阪-5】
(2)いずみ山愛の里(大阪府和泉市)【大阪-6】
(3)愛彩ランド(大阪府岸和田市)【大阪-8】
接続国道・高速道 【大阪府高槻市】→国道171号線(京都方面/箕面・西宮方面)
【大阪府枚方市】→国道1号線(大阪・神戸方面/京都・名古屋方面)
【大阪府寝屋川市】→第二京阪道路(寝屋川北IC,寝屋川南IC)
【大阪府四條畷市】→国道163号線(大阪方面/木津・伊賀方面)
【大阪府東大阪市】→国道308号線(大阪方面/奈良方面) 第二阪奈道路(西石切IC)
【大阪府八尾市(新道),柏原市(旧道)】→国道25号線(大阪方面/天理・伊賀方面)
【大阪府羽曳野市】→国道166号線(大和高田・松阪方面) 南阪奈道路(羽曳野IC)
【大阪府富田林市】→国道309号線(大阪方面/御所・大淀方面)
【大阪府河内長野市】→国道310号線(堺方面/五條方面) 国道371号線(橋本・高野山方面)
【大阪府和泉市】→国道480号線(和泉市街地方面/高野山方面)
【大阪府泉佐野市】→国道26号線(岸和田・大阪方面/阪南・和歌山方面)

●実走レポート(2011年1月~2月) 

国道制定時にこの番号は昔は今の42号線に使っていましたが、1962年に一級国道に昇格した時に現路線に当てられました。しかし、その時の終点は和歌山県の橋本市でした。現在は泉佐野市が終点になって大阪府完結路線になっていますが、それは関空の開港が決まった時にアクセス道路として路線の変更が1982年にあったからです。河内長野~橋本は371号線が北に延長された形になりましたが、紀見峠の旧道に170号線の名残があるという情報があります。
という訳で、現在の高槻~泉佐野の話になります。道路地図を見たら、他の路線と違う独自性があります。これは、ほぼ全線に渡り2本あるんです。本線は「大阪外環状線」と呼ばれる大阪でも非常に重要な幹線になりますが、それに並行する旧国道が府道に格下げされずに国道のままで残っています。このパターンは珍しい現象で、自専道と旧道の組み合わせは25号線(名阪国道),312号線(播但道)など全国的にもありますが、普通は新道が全線開通した時点で旧道は国道から外れるんです。短い距離ならまだしも、長距離で両方が国道のまま存在するのは、他に4号線と17号線くらいです。このような場合は両方の道を調査するしかないので、数回に分けて調査しました。
高槻市の八丁畷交差点をスタートしますが、番号の小さい171号線から分岐する形になっています。最初から4車線の広い道が続きますが、枚方大橋で淀川を渡ると、旧1号線(=府道13号線),1号線と合流し、すぐに1号線から分離します。程なくして旧170号線と新170号線の分岐があり、ここから終点に近い熊取町まで2本の路線になります。
新道は4車線の道が河内長野市まで延々と続きます。それでも混雑する時間帯は各所で渋滞が起こっています。国道(163号線,1号線BP,25号線,309号線など)や主要な県道は立体交差になっています。片側3車線にしたくても沿道にたくさんの店が並んでいるため、もうムリでしょう。側道からの合流車両も結構多い箇所もあるため、他ではあまり見かけない本線用と側道用の合流するための信号機がある箇所もあります。河内長野から熊取までは元県道が昇格した区間なので、新道は1990年以降に造られています。そのため、未だに片側1車線しかない区間も残っています。4車線にするだけの場所は確保しています。熊取町以西は終点の26号線交差点の上瓦屋まで2車線なので、慢性的に渋滞しています。170号線の交通量から考えれば、早急にオール4車線にする方が良いと思いました。
一方、現在も残っている旧道はすごいレベルです。半端じゃない軒下酷道の区間もあります。しかし、170号線のおにぎりマーク標識は多数残っており、誰が見ても国道とわかりますが、案内標識は無視しているような箇所もあります。黄色のセンターラインがある場所もありますが、路線バスなんかこのライン内で走行するのはキツいでしょう。旧道の極めつけは、近鉄:瓢箪山駅近くの区間で、ここはアーケードになっており、昼間は車両通行禁止です。どうせならアーケード内に国道標識があれば、珍百景にもなりそうですが、残念ながらありません。このアーケードより南側は少しは幅が広くなります。河内長野の市街地を過ぎると、新道と交差する場所がありますが、旧道は新道を越えて先に行くことはできません。一旦新道から回り込むような形になります。また、昔の県道をそのまま昇格したので、とんでもないような酷道も残っています。
このように新道と旧道は全く性格が異なる道なので、両方走って改めて思い知らされる道路でした。ただ、どちらにしてもドライブ向きでもないし、抜け道にもなりません。


●沿線フォトギャラリー
【新道(=現在の本線):高槻市起点~泉佐野市終点】
1→起点となる高槻の八丁畷の交差点です。著名渋滞箇所の1つです。 2→最初の目的地表記は「河内長野」になっています。1km先に終点の泉佐野までの距離になっている標識がありましたが、しばらくは河内長野でした。 3→淀川を渡る枚方大橋ですが、上流域では京都府まで橋がないので、貴重な存在です。
4・5→1号線と合流してすぐに分岐する地点ですが、渋滞を避けるように極力立体交差を用いています。 6→寝屋川市木屋南交差点で旧道と分岐します。標識は両方とも170号線になっています。
7→新道は石津元町で左折しますが、1号線の寝屋川バイパスができる前はここまで1号線と重複していました。 8→この右カーブをした時点でほんの少しだけ旧道と合流します。 9→2010年に開通した第二京阪道路(側道は1号線のバイパス扱い)との交差点で、本線は立体交差で通過できます。
10→昔の阪奈道路(府道8号線)との分岐も立体交差です。 11→昔の170号線の名残で、距離表示が「橋本」になっています。 12→これが今の第二阪奈道路・阪神高速東大阪線との交差点です。(側道は国道308号線)
13→170号線は市町村境の標識と国道標識がセットになっている場所が多いです。 14→八尾まで来ると方面表示の行き先は「泉佐野」になっています。 15→南阪奈道路との交差点を西に行けば道の駅「しらとりの郷羽曳野」があります。
16→310号線との交差は立体交差になっています。 17→さらに進むと371号線との交差点になります。この371号線は関空ができるまでは170号線に指定されていました。 18→新道バイパスは天城山を3つのトンネルで越えます。
19→新道でもまだ2車線の区間のまま残っているところがわずかに存在します。(4車線の用地は確保すみ) 20→国道上にできた初めての道の駅「いずみ山愛の里」(2011年に2つめが岸和田市にできました) 21→旧道と交差するところは全方向が170号線と変な表記になっています。
22→岸和田市にでっかいトラス型鉄橋があります。 23→熊取町内は2車線の区間のまま残っているため、いつも渋滞しています。 24→この熊取交差点で旧道と新道が合流し、1本になります。
   
25→26号線上瓦屋交差点で170号線は終点となります。ここから海側は大阪府道です。    
【旧道:大阪府寝屋川市~熊取町】
26→寝屋川市木屋南交差点(=写真6)から入った旧道は片側1車線ながらまだ広い方の道です。 27→一応、170号線の表記や河内長野までの距離もきちんと明記されています。 28→寝屋川市国松町で一旦新道と合流します。
29→寝屋川市泰北口の交差点は左方向が旧道ですが、国道の表記も何もありません。完全に無視した形です。 30・31→無視もしたくなるような軒下酷道ぶりを発揮しています。しかし右写真のように国道の表記はきちんと残っているし、「旧170号線」と丁寧にかかれています。
32→ただでさえ狭い道なのにさらに狭くなる標識がありました。確かに狭くて対向もできません。 33→四条畷市に入るところですが、この辺りから少しだけ道が広くなりました。 34→163号線と交差する西中野交差点ですが、直進方向は府道160号線です。170号線旧道は左に曲がり少し163号線と重複します。
35→163号線の東中野交差点で右折しますが、ここでも170号線は無視された形です。たぶん知らない人がこれが170号線と思って入らないようにするための予防処置でしょう。 36→四条畷市~大東市にかけては狭いながらもセンターラインは入っています。でも黄色のはみ出し禁止はバスはムリでしょう…。 37→東大阪市に入っても道の狭さは相変わらずです。
38→近鉄新石切駅の高架下で308号線と合流し、少しだけ重複します。第二阪奈道路はもうトンネル内で地下を走っています。 39→この旧道で一番えぐいところが瓢箪山駅付近の商店街で、国道でありながら自動車通行禁止の標識があります。 40→夜間は通行可能なので、夜中に通った時に写真を撮りました。
41→反対側の出口です。どうせなら長崎市の324号線のように商店街内に1つぐらい国道の標識を作れば名物になるのにと思いました。 42・43→商店街を抜けて自動車が通れても、強烈な軒下酷道ぶりです。でも国道の標識は健在しています。
44→柏原市の安堂交差点で25号線と合流し、重複します。標識は何もありませんが右の大阪方向に行きます。 45→国道25号線の分岐には旧道でも170号線の表記はありました。 46→近鉄土師ノ里駅のホームの上をまたぎます。従って交差点に改札口(=左側)があります。
47→西名阪道の高架下から羽曳野市になります。 48→新道と旧道の連絡路も国道170号線に指定されている白鳥北交差点です。以前は新道がここまでしかなかったため、このようになっています。 49→309号線との交点になっている川西南交差点ですが、格下の309号線の方が幅広のきれいな道です。
50→旧道らしく、昔の終点である橋本市の距離表示になっています。 51→ちょうど南海と近鉄が国道の両側からくっつく場所で、左が310号線,右が170号線になります。310号線は右方向に重複しています。 52→南海・近鉄河内長野駅のロータリー前を通過します。
53→310号線(堺方面),371号線の分岐になっている本町交差点です。別名を七つ辻というので、たぶん7方向に分岐しているのでしょう。 54→ここから熊取町までの旧道は県道が170号線に昇格した区間です。 55→新道と斜め方向にクロスしていますが、旧道のまま直進はできません。新道を少し走って信号を右折して旧道に入ることができます。
56→この辺りまで来ると、大阪府でも住宅より田んぼや畑の方が目立ちます。 57・58→2回目に新道と平面交差する福瀬町東交差点ですが、信号横の国道標識が4方向とも170号線になっているのがわかります。(右が拡大写真)
59・60→和泉市内の旧道は山間の3桁酷道顔負けの狭さです。新道があるだけにこの現道を拡幅することは今後もないでしょう。 61→しかもさらに狭くなっています。
62→狭くても国道標識は健在しています。25号線の名阪国道と非名阪の組み合わせと似ています。 63→阪和道を越える少しの区間は新道と重複し、この奈良池前信号を左折した後は、熊取まで交差することはありません。 64→水間観音前の道も狭いですが、門前町漂う区間です。
 
65→熊取駅前で一旦右折して新道方向に向かいます。 66→熊取交差点(=写真24)で新道と合流して旧道は終わります。