(テーマ1) 国道     

正確には、「国道」というのには○号線と呼ばれる「一般国道」と、東名・名神高速のような「高速自動車国道」の総称を指しますが、ふつうの人であれば、国道と聞いたら前者の方を思い浮かべるのではないかと思います。私も「国道」と言われてあまり高速道路の方はイメージしません。というわけで、今回の話はこの一般国道についての話です。(以降は一般国道を単に「国道」と表記します)
道路法という法律に「国道」というものは何ぞやと第5条あたりに定義しているようですが、それをここで詳しく書いても私も「なんかわかりにくいし、どうでもいいこと」なので書きませんが、簡単に言えば「国が建設や管理を行い、国土の重要な都市・港湾を結ぶ道路」です。

(1−1)国道の歴史
国道という言葉は明治時代からあったようですが、昔は路線の決め方なども今と全然違うからとりあえず割愛して、今あるような国道の割り振りがいつから行われてきたかというと、1952年(昭和27年)なので、65年も前のことです。その時には幹線の国道を「一級」として1号線〜40号線の40路線,それに準ずる国道を「二級」として101号線〜244号線の144路線を指定しました。つまりスタート時は国道は全部で184路線しかなかったわけです。
その後、一級国道,二級国道が順次追加されて、1965年(昭和40年)に一級・二級の区別を廃止し、「一般国道」というようになりました。その時点で旧一級が1号線〜57号線の57路線,旧二級が101号線〜271号線の165路線(=欠番が6つ発生:後述)の222路線になっています。私が生まれたのが1968年(昭和43年)なので、その時はこの路線網であったわけです。
一般国道となってからも県道の昇格などで1970年(昭和45年),1972年(昭和47年),1975年(昭和50年)に順次追加されて、路線番号の最大のものが390号線になってきました。私が親父にドライブに連れて行ってもらって、道路地図を自分で見て理解できる年頃だったので、この390号線が最大であったのは記憶に残っています。
さらに1982年(昭和57年)と1993年(平成5年)にも路線の変更や追加があって、今の路線網になったわけです。逆に見れば、1993年の見直しから既に25年間は全く見直し・追加がされていないんです。高速道路での移動が主流になっているため、昔ほど国道の地位や重要性も薄れているのも事実で、恐らく今後も見直しはされないと思います。

(1−2)現在の路線数
65年前に184路線からスタートした国道がいくつに増えたかというと、答えは459路線なんです。3倍以上になってるんですよ。また新規路線番号にしなくても、従来の起点・終点から延長指定しているケースも多く、距離ベースでは3倍どころか4倍以上になっています。だから、「どこが国道やねん!」と言いたくなるようなわけのわからん道が出てきているのも事実です。
路線番号の最小は1号線というのは誰でもわかりますが、最大は459号線ではなく507号線です。欠番があるからこの差異が発生しています。
まず、一級と二級を統合した時に、今後国道を追加指定する時は3桁の番号を付与することに決めたため、58〜100は欠番になりました。その後58号線のみ沖縄返還時の特例として使用しているので、59〜100の42路線が欠番になります。だから507−42=465になります。
まだ6路線の差異が出ていますね。3桁にも欠番があるのです。1953年と1963年に20路線が二級国道から一級国道への昇格の見直しがありました。現在の国道41号線〜57号線が旧二級国道からの昇格組です。昇格した旧番号の方は別の路線で再指定されたのですが、109号〜111号と214号〜216号が再指定されずに現在至ったため、6つの欠番ができたのです。これで6つをさらに引いて459路線になります。どの番号のものがどれに該当するかは、各路線のページの「歴史」の部分にもわかる範囲で記述する予定です。

少し余談になりますが、459路線のうち、475号線は1993年に番号だけ決めておきながら全線未開通で21世紀まで実在しない路線でした。この路線は名古屋の近郊を周回する路線で現在の「東海環状道」になり、2005年に愛知万博開催に合わせて東海環状道の一部が開通したため、全線未開通という状態は解消されました。高速道路なので「475」と書かれたおにぎりマークはないので実感がないかもしれません。現在の475号線はは予定路線の半分以上は開通してさらに延伸工事も進められています。

1項で述べた国道の歴史と照らし合わせると、大きく分けて7区分になります。以下の表の通りです。
青色の部分が現時点まで私が実走行して完走した分の実績になりますが、仕事で全国各地に出向いたついでに国道の調査をしているために、利用頻度が薄い300番台・400番台の路線の方が完走率が低くなっています。仕方ないですね。逆に二桁国道に関しては既にコンプリートできました。

区分    路線数 合計キロ数 完走実績 完走キロ数 完走率
1号線〜58号線 旧一級国道のこと 58路線 12591.2km 58路線 12591.2km 100.0%
101号線〜244号線 1952年の制定時から存在 138路線 13885.5km 121路線 11924.4km 85.9%
245号線〜271号線 1956年・1963年の見直し時に追加 27路線 2787.0km 22路線 2145.6km 77.0%
272号線〜332号線 1970年の見直し時に追加
(沖縄は返還時の1972年)
61路線 5506.0km 46路線 3486.4km 63.3%
333号線〜390号線 1975年の見直し時に追加 58路線 5613.2km 45路線 4384.0km 78.1%
391号線〜449号線 1982年の見直し時に追加 59路線 5314.6km 39路線 3477.0km 65.4%
450号線〜507号線 1993年の見直し時に追加 58路線 4470.6km 47路線 3681.1km 82.3%


(1−3)国道にある案内標識
国道の案内標識について、写真を織り交ぜて説明します。(今回は主に153号線を例に取り上げてみました)
どの国道も写真1のような青色の逆三角形の標識を適当な間隔で表示し、「おにぎりマーク」とも呼ばれています。最近は自動車専用道路などでもこの標識を設置する道路が増えてきました。私の知る範囲では130号線,131号線,172号線の港国道と圏央道(468号線)、東海環状道(475号線)、西九州道(497号線)にはこの標識が1つも確認できておりません。最近は写真2のように重複している区間は2つの国道の標識が並んで表示されている場所も増えてきましたが、この徹底度は都道府県によってかなり差があります(北海道・九州地区はかなり徹底できていました)。平成になってから交差点での進路を間違えないようにするために写真3のような標識が増えてきています。

方向表示についても昔は白地の標識でしたが、現在は青地に統一され、写真4のように国道上では矢印部分に国道のおにぎりマークが書かれています。この部分にも写真5のように重複表記されているところも見かけることがあります。
実はこの方向表示には、一定の原則みたいなものがあるのはご存じでしょうか?写真6は国道45号線の青森県で見かけたものですが、3行表示の一番上の「仙台375km」という距離は尋常ではありません。一般国道で375kmなんか朝から晩まで丸1日走ってもたどり着くかつかないかのレベルです。写真4のように2行表示が原則ですが、写真5・写真6のような3行表示は幹線国道で良くみかけます。
どちらも一番下の地名は、経由する一番近い市町村の中心部であることが多く、専門用語的に「主要地」と呼ばれています。2行表示の上及び3行表示の真ん中は最も近い「重要地」と呼ばれる場所で、各県で限られた数しかありません。私の住んでいる京都府なんかを例に取ると、京都は勿論ですが、宇治・京田辺・木津川・舞鶴・福知山・宮津・亀岡などの都市が該当します。人口よりも交通の要所みたいな場所が選ばれます。そして3行表示の一番上は「基準値」と呼ばれる場所で、各県で原則的に1ヶ所なので、おおむね都道府県庁所在地が選ばれることが多いですが、山口県の場合は下関になっているような例外もあります。写真6の例に戻りますが、45号線は岩手県は通るものの基準値になる「盛岡」を経由しないため、一番上の表示は「仙台」になるわけです。仙台から45号線を北に行っても、一番上は「青森」になっています。しかし、これはあくまでも原則であって、道路を走る利用者にわかりやすいように、例外的な事例もたくさんあるのが現状です。
さらに主要な国道については、1kmごとに写真7のような起点からの距離表記(=キロポスト)がありますが、このデザインもいろいろなものがあり、写真7のように距離表示だけでなく、写真8のような現在地の住所や主要な目的地までの距離も表示されているものもあります。親切な路線は起点および終点を示すような写真9のようなものも見かけることができます。

写真1 写真2 写真3
写真4 写真5 写真6
写真7 写真8 写真9


(1−4)長距離国道
459路線の国道で上位30位までの陸上距離の長さの国道を下記にまとめました。重複区間を数字の若い番号に優先して距離を当てた単独距離の比較データです。1〜10号線の日本を代表する幹線国道は全て20位以内に入っています。4号線が700km越えでダントツ1位ですが、日本の国道なんてまだまだかわいいもんですね。アメリカの国道なんか5,000kmオーバーの路線もあります。300kmオーバーの国道が14路線しかないのは意外でした。
ここに掲載している1桁国道で日本一周が可能です。東京を出発すると、→青森(4号線)→新潟(7号線)→京都(8号線)→下関(9号線)→鹿児島(3号線)→北九州(10号線)→大阪(2号線)→東京(1号線)です。全部で4,400kmぐらいあるので、1日300km走っても14泊15日ぐらいはかかる感じです。
3桁国道は8路線がベスト30のランキング入りしていますが、その全てが北海道エリアです。本州では191号線が21番目に入っているのがトップです。274号線は未だかなりの不通区間を抱えているので、全線開通すれば11位くらいに伸びる可能性もあります。

順位 路線番号 区間(実質区間) 単独距離 正規距離 実走済 備考
1位 4号線 東京都中央区〜青森市 743.6km [同左]  
2位 9号線 京都市下京区〜山口県下関市 589.2km 636.8km 2号線と重複あり
3位 1号線 東京都中央区〜大阪市北区 549.5km [同左]  
4位 8号線 新潟市中央区〜滋賀県栗東市 540.5km 572.6km 終点側は1号線
5位 2号線 大阪市北区〜北九州市門司区 530.3km [同左]  
《ここまでが500km以上の路線》
6位 7号線 新潟市中央区〜青森市 467.6km [同左]  
7位 10号線 北九州市小倉北区〜鹿児島市 446.4km 447.6km  
8位 45号線 仙台市青葉区〜青森県十和田市 428.9km 505.9km 終点側は4号線
9位 42号線 静岡県湖西市〜和歌山市 426.1km 465.6km 23号線と重複あり
《ここまでが400km以上の路線》
10位 3号線 北九州市門司区〜鹿児島市 390.3km [同左]  
11位 6号線 東京都中央区〜宮城県岩沼市 330.5km 351.7km 終点側は4号線
12位 238号線 北海道網走市〜北海道稚内市 319.5km [同左] 3桁国道の最長路線
13位 274号線 札幌市東区〜北海道標茶町 318.7km 369.3km   241号線・242号線と重複あり
不通区間が残っている
14位 13号線 福島市〜秋田市 302.8km [同左]  
《ここまでが300km以上の路線》
15位 38号線 北海道滝川市〜北海道釧路市 298.2km [同左]  
16位 56号線 高知市〜松山市 291.6km 293.7km  
17位 17号線 東京都中央区〜新潟県長岡市 286.2km 349.1km 終点側は8号線
18位 229号線 北海道余市町〜北海道江差町 284.9km 304.7km 起点側は5号線
19位 5号線 北海道函館市〜札幌市中央区 282.3km [同左]  
20位 275号線 札幌市中央区〜北海道浜頓別町 282.1km 314.3km   40号線と重複あり
21位 191号線 山口県下関市〜広島市安佐北区 267.4km 291.7km 起点側は54号線
22位 19号線 名古屋市熱田区〜長野市 265.9km [同左]  
23位 16号線 横浜市西区〜横浜市西区 256.8km 258.0km 起終点が同じ環状国道
24位 41号線 名古屋市東区〜富山市 249.9km [同左]  
25位 40号線 北海道旭川市〜北海道稚内市 249.7km [同左]  
26位 349号線 水戸市〜宮城県柴田町 245.2km 254.1km  
27位 58号線 鹿児島市〜那覇市 244.5km [同左] 海上区間を入れると日本最長
28位 403号線 新潟市江南区〜長野県安曇野市 243.9km 333.7km 重複区間が多い
29位 152号線 長野県上田市〜浜松市東区 242.8km 244.0km 不通区間あり
30位 49号線 福島県いわき市〜新潟市中央区 238.0km 240.2km  

(1−5)短距離国道
同じように短距離のベスト30をまとめたのが下記の表です。14位までが全て「港国道」と呼ばれる路線です。
港国道とは起点が重要な港や空港で、終点側で他の国道と接続しているような路線です。しかし、岩国空港の起点は一般の旅客空港ではなく米軍基地だし、舞鶴港や四日市港は国を代表するような重要港ではないし、198号線や149号線のように起点側も他の国道と接続しているような路線もあります。
また、正規の距離はそれなりの長さを持ちますが、起点側や終点側で番号の若い国道と重複していたり、間に重複区間を持つため、実質の単独区間が短くなるような446号線や404号線のような事例もあります。
そのような意味から港国道を除けば15位の国道255号線が普通の国道の最短路線ということになります。

順位 路線番号 区間 単独距離 正規距離 実走済 備考
1位 174号線 神戸港〜神戸市中央区 0.2km [同左] 187mの日本最短国道
2位 189号線 岩国空港〜山口県岩国市 0.3km 2.9km 大半が188号線と重複
3位 130号線 東京港〜東京都港区 0.5km [同左]  
4位 198号線 門司港〜北九州市門司区 0.6km [同左] 両端が国道で接続されている港国道
5位 177号線 舞鶴港〜京都府舞鶴市 0.7km [同左] 現在のメインの東港になく漁港の西港にある
《ここまでが1km以下の路線》
6位 133号線 横浜港〜横浜市中区 1.3km [同左]  
7位 149号線 清水港〜静岡市清水区 2.7km [同左] 両端が国道で接続されている港国道
8位 164号線 四日市港〜三重県四日市市 3.0km [同左]  
9位 332号線 那覇空港〜那覇市 3.0km 4.1km 起点側は331号線と重複 
10位 131号線 羽田空港〜東京都大田区 3.7km [同左] 空港を移転しても起点の位置は変わらず
11位 154号線 名古屋港〜名古屋市熱田区 4.0km [同左]  
12位 132号線 川崎港〜川崎市川崎区 4.6km [同左]  
《ここまでが5km以下の路線》
13位 295号線 成田空港〜千葉県成田市 5.3km [同左]  
14位 172号線 大阪港〜大阪市中央区 8.0km [同左]  
《ここまでが10km以下の路線》
15位 255号線 神奈川県松田町〜神奈川県小田原市 11.8km 19.4km 起点側はは246号線と重複
16位 507号線 沖縄県八重瀬町〜那覇市 12.3km 26.3km 起点側は331号線,終点側は329号線
17位 481号線 関西空港〜大阪府泉佐野市 12.7km [同左] 空港島まで延長指定され港国道では最長路線
18位 224号線 鹿児島県垂水市〜鹿児島市 13.3km 14.0km 海上区間あり,鹿児島市内は全て58号線
19位 366号線 愛知県半田市〜名古屋市緑区 17.2km 17.7km 途中に155号線との重複区間がある
20位 449号線 沖縄県本部町〜沖縄県名護市 17.5km [同左]  
21位 506号線 那覇空港〜沖縄県西原町 17.8km [同左] 那覇空港道,起点側5.7kmは建設中
22位 466号線 東京都世田谷区〜横浜市保土ヶ谷区 17.9km [同左] 第三京浜道路
《ここまでが20km以下の路線》
23位 31号線 広島県海田町〜広島県呉市 20.1km [同左] 2桁国道の最短路線
24位 505号線 沖縄県本部町〜沖縄県名護市 20.8km [同左] 449号線と対になる路線
25位 446号線 宮崎県日向市〜宮崎県美郷町 20.8km 102.1km 単独率がたった20%の路線
起点側は327号線,終点側は388号線
26位 467号線 神奈川県大和市〜神奈川県藤沢市 21.1km [同左]  
27位 380号線 愛媛県内子町〜愛媛県久万高原町 21.1km 63.3km 起点側は197号線・56号線・379号線
28位 404号線 新潟県長岡市〜新潟県長岡市 22.3km 94.3km 単独率が25%もない路線
終点側が403号線・353号線
29位 205号線 長崎県佐世保市〜長崎県東彼杵町 23.2km [同左]  
30位 318号線 徳島県吉野川市〜香川県東かがわ市 23.9km 43.8km 起点側が192号線

(1−6)国道の端部
日本全国を張り巡らしている国道の東西南北の最果てをまとめると、以下の通りです。最北端は全国・本州とも県道より国道の方がより最果てにあります。長距離国道のベスト30に入る路線が結構入っているところは単なる偶然ですが不思議と思いました。

  路線番号 区間 単独距離 ポイント 実走済
最北端(全国) 238号線 北海道網走市〜稚内市 319.5km 日本最北端の宗谷岬そのものを通過
最北端(本州) 279号線 北海道函館市〜青森県野辺地町 106.4km 海上区間の端部になる大間港が最北端です
最東端(全国) 44号線 北海道釧路市〜根室市 123.9km 終点の弥栄町1丁目交差点が最東端になります
最東端(本州) 45号線 仙台市青葉区〜青森県十和田市 428.9km 岩手県山田町の「道の駅やまだ」付近
最南端(全国) 390号線 沖縄県石垣市〜那覇市 59.8km 石垣島の真栄里集落付近
最南端(本州) 42号線 静岡県湖西市〜和歌山市 426.1km 和歌山県串本町の潮岬西入口交差点付近
最西端(全国) 390号線 沖縄県石垣市〜那覇市 59.8km 起点となる730記念碑交差点が最西端
最西端(本州) 191号線 山口県下関市〜広島市安佐北区 267.4km 下関市豊北町の神田上和久南の集落付近

(1−7)海上国道
「海上国道」というのは、1つの路線が海を隔ててつながっているものを指します。離島に続く路線などに多いのが一般的ですが、本州・四国・九州・北海道の4つの本土を結ぶ路線にも海上国道はあり、また陸続きでも行けるが大きく迂回するためにショートカットするような路線設定になっている海上国道もあります。全部で31路線あり、エリア別に整理すると以下の通りです。フェリー運行区間は4m〜5mの普通乗用車でドライバー1名込みの片道運賃で示しています。
近畿以西の西日本地区に圧倒的に偏っています。備考の移動方法を見ていただくように、自分の自家用車で行くことが不可能なのは、石垣島・宮古島を路線に持つ390号線だけですが、佐渡島・隠岐・壱岐・対馬・五島・種子島・奄美・沖縄本島は往復にフェリーを使ってまで自家用車で行くのは、航走料金を考えてもナンセンスでしょう。飛行機を使って空港でレンタカーを借りるか、本土側に自家用車を停め置いて、人だけフェリーで渡り、渡った先でレンタカーを借りるのが妥当と思います。北海道は陸路ではつながっていませんが、道内の広さを考えるとフェリー航走料金を払う価値はあると思います。

エリア 路線番号 区間 単独距離 海上区間 実走済 備考(海上区間の移動方法)
東北 279号線 北海道函館市〜青森県野辺地町 106.4km 函館港〜大間港 津軽海峡フェリーが運航
(所要1時間40分 16,000円)
280号線 青森市〜北海道函館市 66.2km 三厩港〜福島港 何もないが、北海道側は全て228号線と重複
338号線 北海道函館市〜青森県おいらせ町 210.8km 函館港〜大間港 海上区間を含む北海道側は279号線と重複 
首都圏 16号線 横浜市西区〜横浜市西区(環状線) 256.8km 富津港〜走水港 近隣で東京湾フェリーが運航
(所要40分 3,880円)
357号線 千葉市美浜区〜神奈川県横須賀市 67.7km @江東区台場〜大井ふ頭
A羽田空港〜川崎市東扇島
B川崎市東扇島〜大黒ふ頭
各区間とも首都高速湾岸線のトンネル・橋で接続
(横浜ベイブリッジは一般国道部分もある) 
409号線 川崎市高津区〜千葉県成田市 101.3km 川崎市〜木更津市 東京湾アクアラインで接続
東海北陸 259号線 三重県鳥羽市〜愛知県豊橋市 44.8km 鳥羽港〜伊良湖港 海上区間を含む渥美半島側は42号線と重複
302号線 愛知県東海市〜愛知県飛島村 58.9km 東海〜飛島 伊勢湾岸道で接続(名港トリトン)
350号線 新潟市中央区〜新潟県上越市 48.3km @新潟港〜両津港
A小木港〜直江津港
  佐渡汽船によるフェリーが運航
(@所要2時間30分 16,560円)
(A所要2時間40分 18,050円) 
関西 28号線 神戸市中央区〜徳島市 67.0km @明石港〜岩屋港
A福良港〜撫養港
神戸淡路鳴門自動車道で接続
(@明石海峡大橋 A大鳴門橋) 
42号線 静岡県湖西市〜和歌山市 426.1km 鳥羽港〜伊良湖港 伊勢湾フェリーが運航
(所要55分 6,500円)
260号線 三重県志摩市〜三重県紀北町 94.1km 御座港〜浜島港 何もないので道路で迂回
中国四国 2号線 大阪市北区〜北九州市門司区 530.3km 下関市〜北九州市 関門トンネルで接続 
30号線 岡山市北区〜高松市 25.9km 宇野港〜高松港 宇高国道フェリーが運航
(所要60分 2,700円)
陸路でも瀬戸中央道(=瀬戸大橋)で接続
197号線 高知市〜大分市 180.6km 三崎港〜佐賀関港 国道九四フェリーが運航
(所要70分 8,460円)
317号線 松山市〜広島県尾道市 97.4km 6ヶ所で海上区間有り 西瀬戸自動車道で全て接続
一部区間はフェリーが現存
436号線 兵庫県姫路市〜高松市 29.4km @姫路港〜福田港
A土庄港〜高松港
両方ともフェリーが運行
(@所要1時間40分 8,970円)
(A所要1時間 6,050円)
437号線 松山市〜山口県岩国市 62.1km 松山港〜伊保田港    周防大島松山フェリーが運航
(所要1時間25分 9,100円)
485号線 島根県隠岐の島町〜松江市 44.2km @西郷港〜別府港
A浦郷港〜七類港
  隠岐汽船によるフェリーが運航
(@所要1時間35分 8,930円)
(A所要5時間15分 21,830円) 
487号線 広島県呉市〜広島市南区 50.5km @高田港〜津久茂港
A切串港〜宇品港
@は何もないので陸上で迂回
Aはフェリーが就航
(所要30分 2,500円)
九州 57号線 大分市〜長崎市 206.5km @三角港〜島原港 2006年でフェリー廃止
熊本港まで迂回すればフェリー有り
(所要60分 3,430円)
58号線 鹿児島市〜那覇市 244.5km @鹿児島港〜西之表港
A島間港〜赤木名港
B古仁屋港〜奥港
鹿児島〜種子島と奄美大島〜沖縄本島はフェリー航路
があるが、種子島〜奄美大島はありません
(@所要3時間40分 16,500円)
(B所要10時間50分 47,000円)
224号線 鹿児島県垂水市〜鹿児島市 13.3km 桜島港〜鹿児島港 桜島フェリーが運行
(所要15分 1,480円)
269号線 鹿児島県指宿市〜宮崎市 141.3km 山川港〜伊座敷港 2010年でフェリー廃止
桜島フェリーによる迂回が可能
324号線 長崎市〜熊本県宇城市 67.9km 茂木港〜富岡港 2012年でフェリー廃止
最短の迂回路はR251+島鉄フェリー経由
382号線 長崎県対馬市〜佐賀県唐津市 107.5km @厳原港〜勝本港
A印通寺港〜呼子港
  それぞれ近隣でフェリーが運航
(@所要2時間5分 14,600円)
(A所要1時間45分 11,700円)
384号線 長崎県五島市〜長崎県佐世保市 97.2km @福江港〜奈良尾港
A有川港〜佐世保港
  それぞれフェリーが運航
(@所要1時間40分 6,500円)
(A所要2時間50分 22,580円)
389号線 福岡県大牟田市〜鹿児島県阿久根市 117.8km @長洲港〜多比良港
A口之津港〜鬼池港
B牛深港〜蔵之元港
それぞれフェリーが運航
(@所要40分 2,390円)
(A所要30分 2,740円)
(B所要30分 2,700円)
390号線 沖縄県石垣市〜那覇市 59.8km @石垣島〜宮古島
A宮古島〜那覇港
以前はフェリーが就航していたが現在は全くなし
(=飛行機で移動してレンタカーを借りるのみ)
448号線 鹿児島県指宿市〜宮崎市 115.2km 山川港〜伊座敷港 海上区間を含む薩摩半島側は269号線と重複
499号線 長崎市〜鹿児島県阿久根市 27.1km 脇岬港〜阿久根港 現在はフェリー無し(九州本土を陸上で迂回)

(1−8)不通区間
次のテーマは「不通区間」です。これは、国道の区間を指定しておきながら、自動車でその区間全てを走ることができない路線で、地形図などで点線で表示される場合が多いため、「点線国道」とも呼ばれています。大雨・地震などの自然災害により一時的に通行止になるもの,積雪などにより冬期だけ閉鎖されるものとは違い、開通するまでは通年を通して通ることのできない区間を持つ路線です。
不通区間は主に2種類あります。1つは道路を造るために困難な峠区間,海岸線区間,渓谷区間などがあり、不通区間が存在するもので、それを解消するためには長大トンネルの建設などが必要です。もう1つは都市部などで新しい道路を造っている途中段階で部分的にしか開通していない路線です。
自動車専用道として指定されている国道を除いたものが別表に示す通りで、全部で26路線あります。ここでの単独距離は既に開通して通行可能な単独区間の合計距離です。
中にはどう考えても開通させる気がないような区間もあり、その端部も「酷道」と呼ばれる路線も多々あります。
それでも、国道という名前であるので、県道の不通区間よりは整備の度合いは進んでいるため、かつては不通区間が存在していたけど現在は解消されている路線も多くあります。1990年以降の直近20年では主に以下のような路線があります。
 ◇国道121号線:福島・山形県境の大峠が災害崩落で実質上不通となっていましたが大峠道路が10年に全線開通
 ◇国道140号線:雁坂峠と呼ばれる区間が不通でしたが、長大トンネルの開通により98年に解消
 ◇国道162号線:若狭湾の海岸線で不通区間が存在していましたが、92年に解消
 ◇国道169号線:北山川沿いの峡谷区間で不通でしたが、トンネル開通により解消
 ◇国道229号線:積丹半島の海岸線沿いで不通区間がありましたが、96年に解消
 ◇国道302号線:春日井市周辺,名古屋市東南部の不通区間が名二環自動車道開通により11年に解消
 ◇国道305号線:菅谷峠を越える区間が普通でしたが、ホノケ山トンネルの開通により14年に解消
 ◇国道311号線:熊野〜尾鷲の海岸線沿いで不通区間がありましたが、トンネル開通により解消
 ◇国道336号線:十勝川を渡る橋がなく不通でしたが、92年に橋が完成して解消
 ◇国道361号線:姥神峠,権兵衛峠の2つの不通区間がありましたが、06年にトンネル開通などにより解消
 ◇国道393号線:赤井川道路が08年に完成して解消
 ◇国道438号線:三頭峠の区間が不通でしたが、97年にトンネルが開通して解消
 ◇国道444号線:県境を越える区間が不通でしたが、99年にトンネルが開通して解消
また、林道などを編入して実質的に解消した路線として国道299号線や国道309号線のような例もあります。

似たようなケースで「開かずの国道」といわれるところもあります。これは既に全線開通はしているのですが、大雨や地震などにより狭路区間が度々崩落して、全線開通しているタイミングがほとんどないような路線を皮肉って言っています。代表的なものとして157号線・265号線・425号線・471号線などがよく取り上げられますが、いずれもファンでは有名な酷道ですね。

エリア 路線番号 区間 単独距離 不通区間 実走済 備考(不通区間の迂回方法)
北海道 274号線 札幌市東区〜北海道標茶町 318.7km 白糠町〜釧路市   釧路湿原附近で2ヶ所の不通区間あり
392号線・38号線・240号線で大きく迂回する必要あり
452号線 北海道夕張市〜北海道旭川市 110.2km 芦別市〜美瑛町   最短でも少し南側を走る道道70号線で迂回
東北 289号線 新潟県燕市〜福島県いわき市 222.3km 三条市〜只見町   県境を越える峠区間で通行不能だがトンネルを建設中
290・252号線で大きく迂回する必要あり
339号線 青森県弘前市〜青森県外が浜町 102.9km 竜飛岬付近の階段 階段国道の区間は車両は当然ながら通行不能
町道による迂回可能
401号線 福島県会津若松市〜群馬県片品村 86.9km 檜枝岐村〜片品村   尾瀬沼を挟む峠区間で開通することはありえない
352号線・121号線・120号線(=日光経由)で大きく迂回
首都圏 298号線 埼玉県和光市〜千葉県市川市 36.1km 松戸市〜市川市 東京外環道の側道
2018年に外環道が東関東道まで開通する際に国道も全線開通予定
357号線 千葉市美浜区〜神奈川県横須賀市 67.7km @横浜市内
A横浜市〜横須賀市
@は県道などで迂回可能
現在の神奈川県側末端は八景島シーパラダイス内で一般車
の進入が禁止されている
東海北陸 152号線 長野県上田市〜浜松市東区 242.8km 大鹿村〜飯田市
飯田市〜浜松市
地蔵峠・青崩峠のそれぞれが不通区間
両方とも林道による迂回ルートがあり、青崩峠は国道474号
でトンネル建設中
256号線 岐阜市〜長野県飯田市 200.2km 飯田市内   小川路峠を含む区間
474号線などで迂回可能なため開通させる気はなし
257号線 浜松市中区〜岐阜県高山市 201.1km 高山市内 この区間を結ぶ三尾河バイパスを建設中
岐阜県道73号線・158号線などで大きく迂回の必要あり
291号線 群馬県沼田市〜新潟県柏崎市 111.5km 水上町〜南魚沼市 県境を挟む清水峠区間が不通区間で徒歩でも通行不可
国道17号線・関越道で迂回可能なので開通する見込みなし
352号線 新潟県柏崎市〜栃木県上三川町 233.5km 長岡市内 花立峠区間で通行不能
国道17号線・291号線で迂回可能
353号線 群馬県みどり市〜新潟県柏崎市 147.4km 中之条町〜湯沢町 県境を越える区間で通行不能
群馬県道53号線・17号線で大きく迂回する必要あり
360号線 富山市〜石川県小松市 92.1km 白川村〜白山市   県境を越える区間は白山スーパー林道が開通しているので
実質は開通しているのと同じ
403号線 新潟市江南区〜長野県安曇野市 243.9km 上越市〜飯山市 県境を越える須川峠区間で通行不能
ただし林道でつながっている
405号線 群馬県六合村〜新潟県上越市 106.8km 六合村〜栄村   県境を越える地蔵峠区間で通行不能
夏場なら長野県道401号・県道502号線で迂回可能
416号線 福井市〜石川県小松市 80.0km 小松市〜勝山市   県境を越える大日峠が通行不能
8号線・364号線により大きく迂回する必要有り
417号線 岐阜県大垣市〜福井県越前町 90.3km 池田町〜揖斐川町 県境を越える冠山峠区間が通行不能
実質的に冠山林道が通っており、6kmのトンネルも建設中
418号線 岐阜県本巣市〜長野県飯田市 157.9km 八百津町〜恵那市   木曽川沿いの道が一旦は開通したものの路肩の弱いため
廃道になり自動車はおろか自転車でも通行不能
この区間は建設中のダム湖に沈むため新道バイパスを山手に建設して
おり全線開通すると三大酷道からも外れる
472号線 富山県射水市〜岐阜県郡上市 100.6km 高山市内   国道257号線と重複している区間が通行不能
476号線 福井県大野市〜福井県敦賀市 65.2km 池田町〜南越前町 段ヶ岳峠の部分が不通区間
福井県道201号線などで大きく迂回可能
関西 371号線 大阪府河内長野市〜和歌山県串本町 194.8km 田辺市内
田辺市〜古座川町
笠塔峠,高尾峠の2つの不通区間を有する
県道や林道で迂回ができる
422号線 大津市〜三重県紀北町 104.1km 津市〜松阪市
大台〜紀伊長島
庄司峠,野又峠の2つの不通区間を有する
前者は368号線,後者は県道で迂回可能(かなり大廻り)
482号線 京都府京丹後市〜鳥取県江府町 177.5km 香美町内 4ヶ所の分断区間があったが3ヶ所は開通
残り1ヶ所も林道があり、それを国道に昇格の予定
中国四国 193号線 香川県高松市〜徳島県海陽町 141.3km 神山町〜那賀町   通行不能区間だがそのまま徳島県道253号線で通行可能
(県道→国道に昇格すれば済む話がなぜできていない?)

(1−9)自動車専用道
21世紀に入ってからですが、「高規格道路」というのが増えています。高速道路もその部類に入るのですが、ここで取り上げたいのは、一般国道の扱いですが、自動車専用道路になっている道路が増えています。
当然ですが、歩行者・自転車・原付バイクは通行できないし、60km〜100kmぐらいの制限速度になっています。
これはパターンが3つあります。
A:路線そのものが自動車専用道路しかないもの→別表で示す11路線が該当します。
B:路線の本線に該当する区間の一部が自動車専用道になっているもの
   最近は国道1号線、2号線、178号線など自専道が国道扱いになり旧道は県道・市道に格下げされました
C:旧道が路線の本線ですが、自動車専用道としてバイパスが開通しているもの
   これが全国にかなり存在します。
   国道1号線なら「横浜新道(有料)」「静清バイパス」「京滋バイパス(有料)」,国道2号線なら「広島西バイパス」などです
   本州四国の3ルートは全部国道のバイパス扱いです。(=国道28号線,30号線,317号線)
   峠区間の長大トンネルが自専道扱いになっているところも多いですが、125cc以下のバイクは通行できないので、狭路の旧道を走る
   ことしかできない場所もあります。(例:国道158号線「安房トンネル」「油阪峠道路」など)

エリア 路線番号
(国道・高速)
路線名称 全線開通予定区間 全距離 供用 実走済 備考(不通区間の迂回方法)
北海道 450号線
(E39)
 旭川紋別道 北海道比布町〜北海道紋別市 98.9km 92.1km   道央道:比布JCT〜遠軽瀬戸瀬ICは開通
(全て無料区間)
首都圏 271号線
(E85)
 小田原厚木道路 神奈川県小田原市〜神奈川県厚木市 33.1km 33.1km 既に全線開通
平塚IC〜厚木ICは一般道の側道もある
466号線
(E83)
 第三京浜 東京都世田谷区〜横浜市保土ヶ谷区 18.4km 18.4km 既に全線開通
起点〜玉川ICは一般道扱い(都道との重複区間)
468号線
(C4)
 圏央道 横浜市金沢区〜千葉県木更津市 309.1km 228.1km 藤沢BP:藤沢IC〜東関東道:大栄JCTの201kmは全て完成
松尾横芝IC〜館山道:木更津JCTも開通済み
東海北陸 470号線
(E41)
能越道 富山県砺波市〜石川県輪島市 107.5km 96.0km 北陸道:小矢部砺波JCT〜七尾IC及び田鶴浜IC〜のと里山空港ICまでは開通
高岡ICより北は2013年に無料区間になった
474号線
(E69)
三遠南信道 長野県飯田市〜静岡県浜松市 99.0km 29.3km 中央道:飯田山本IC〜新東名:浜松いなさJCTを結ぶが、現在は両端と一部区間のみ開通で全線開通は目処も立っていない状況(全て無料区間)
475号線
(C3)
 東海北陸道 愛知県豊田市〜三重県四日市市 153.0km 86.1km 新東名:豊田東JCT(起点)〜関広見ICは開通
西側は部分的に開通
関西 478号線
(E9)
 京都縦貫道 京都府宮津市〜京都府久御山町 99.1km 99.1km 既に全線開通
大山崎JCT〜久御山ICは一般道の側道もある
483号線
(E72)
北近畿豊岡道 兵庫県丹波市〜兵庫県豊岡市 65.9km 59.8km 舞鶴道:春日IC〜日高神鍋高原ICが開通
九州 497号線
(E35)
西九州道 福岡市早良区〜佐賀県武雄市 150.0km 113.1km 前原〜二丈まではR202BPで代用
伊万里〜佐々間は部分開通のみ
506号線
(E58)
 那覇空港道 那覇空港〜沖縄県西原町 17.8km 12.1km 豊見城・名嘉地IC〜那覇空港ICは未定


(1−10)冬期閉鎖区間
冬期になると除雪が必要な峠は日本に数多くありますが、峠の雪深さ,交通量,除雪能力を考えて、ムリな場所は雪が降る間はバリケートで閉鎖している箇所があります。高速道路では当然ありませんが、国道では結構あり以下のような区間が閉鎖になっています。(実走済というのは閉鎖期間外で実走したことがあるという意味で冬場に歩いているわけではありません)閉鎖期間中は除雪もせずに、自然のままにしているので、場所によっては歩くことさえ困難なくらい積雪している場所もあります。(というかそのような場所が大半です)
北海道はめちゃくちゃ少ないです。あれだけ寒いのに除雪はきちんとしているようです。通行不能区間を持つ国道はその端部はどうせ行き止まりなので、集落でもない限りは除雪をすることはないです。
また規制する期間ですが、東北は11月中が多いですが、あとは12月に入ってからの傾向があり、また解除される時期は積雪の多い北陸地区は遅いようです。強烈なのは352号線の奥只見樹海ラインですね。順次除雪はされるようですが真冬で77kmも閉鎖になるとはさすが豪雪の地域です。

エリア 路線番号 冬期閉鎖区間 閉鎖距離 閉鎖期間 実走済 備考
北海道 334号線 北海道羅臼町〜斜里町 23.8km 11月上旬〜4月下旬 知床峠を含む「知床横断道路」の区間
東北 102号線 青森県平川市〜十和田市 24.6km 11月下旬〜3月下旬 十和田湖の北側は標高の高い場所を通るため閉鎖
103号線 青森県青森市〜十和田市 8.1km 11月中旬〜3月下旬 酸ヶ湯温泉から傘松峠を含む谷地温泉までの区間
112号線 山形県西川町〜鶴岡市 19.2km 11月上旬〜6月下旬   旧道の大越を挟む区間
286号線 宮城県川崎町〜山形県山形市 11.9km 11月上旬〜4月下旬   笹谷峠(県境)を挟む区間
289号線 @福島県只見町内 1.9km 12月上旬〜4月中旬     通行不能区間の端部
A新潟県三条市内 3.7km 12月下旬〜5月中旬 通行不能区間の端部
338号線 青森県佐井村〜むつ市 18.2km 11月下旬〜4月下旬 「海峡ライン」と呼ばれる山道の区間
339号線 青森県中泊町〜外ヶ浜町 22.1km 11月下旬〜4月下旬 「竜泊ライン」と呼ばれる山道の区間
341号線 秋田県秋田市〜由利本荘市 10.1km 11月中旬〜4月下旬    
342号線 秋田県東成瀬村〜岩手県一関市 26.5km 11月上旬〜4月下旬   栗駒山越えの区間
345号線 山形県鶴岡市内 6.0km 12月上旬〜4月上旬 関川峠を挟む区間
347号線 山形県尾花沢市〜宮城県加美町 17.7km 12月上旬〜4月下旬   鍋越峠(県境)を挟む区間
394号線 青森県七戸町〜青森市 17.7km 11月中旬〜4月下旬    
397号線 岩手県奥州市〜秋田県東成瀬村 26.8km 11月中旬〜5月中旬   県境を挟む区間 
398号線 宮城県栗原市〜秋田県湯沢市 27.2km 11月下旬〜4月下旬   湯浜峠(県境)を挟む区間
399号線 福島県福島市〜山形県高畠町 19.8km 11月中旬〜5月下旬 鳩峰峠(県境)を挟む区間
400号線 福島県柳津町〜西会津町 3.6km 12月下旬〜4月上旬   杉峠を挟む区間
401号線 @福島県会津美里町〜昭和村 15.7km 1月中旬〜4月上旬     博士峠を挟む区間
A福島県昭和村〜南会津町 13.3km 12月上旬〜4月下旬 新鳥居峠を挟む区間
B群馬県片品村内 8.4km 11月上旬〜4月中旬 通行不能区間の端部
454号線 @青森県新郷村〜十和田市 19.3km 11月下旬〜3月下旬 途中に秋田県を挟む山道区間
A秋田県小坂町〜青森県平川市 4.3km 11月下旬〜3月下旬 102号線が閉鎖なので併せて閉鎖
458号線 山形県大蔵村〜寒河江市 27.4km 11月上旬〜5月下旬 十部一峠を挟む区間
首都圏 120号線 栃木県日光市〜群馬県片品村 17.6km 12月下旬〜4月下旬 金精峠(県境)を挟む区間
254号線 群馬県下仁田町〜長野県境 3.1km 12月上旬〜3月下旬   旧道の内山峠(県境)を挟む区間
東海北陸 152号線 @長野県飯田市内 4.2km 12月中旬〜3月下旬 青崩峠方面の通行不能区間の端部
A長野県飯田市内 1.2km 12月中旬〜3月下旬 地蔵峠方面の通行不能区間の端部
B長野県大鹿村内 4.6km 12月中旬〜3月下旬 地蔵峠までの区間(地蔵峠以南は蛇洞林道)
C長野県大鹿村〜伊那市 12.1km 12月下旬〜3月上旬 分杭峠を挟む区間
157号線 福井県大野市〜岐阜県本巣市 52.7km 11月下旬〜4月下旬 温見峠(県境)を挟む区間
158号線 @福井県大野市〜岐阜県郡上市 4.3km 12月上旬〜4月下旬 旧道の油阪峠(県境)を挟む区間
A岐阜県高山市〜長野県松本市 14.7km 11月中旬〜5月下旬 旧道の安房峠(県境)を挟む区間
252号線 新潟県魚沼市〜福島県只見町 27.7km 11月中旬〜5月中旬 六十里越(県境)を挟む区間
257号線 岐阜県高山市内 4.0km 12月上旬〜5月上旬 通行不能区間の端部
291号線 @群馬県みなかみ町内 3.4km 11月下旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
A新潟県南魚沼市内 0.4km 12月上旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
292号線 群馬県草津町〜長野県山ノ内町 22.6km 11月中旬〜4月下旬   渋峠(県境)を挟む区間(旧:滋賀草津道路)
299号線 @長野県茅野市〜小海町 13.8km 11月中旬〜4月中旬  ★ 麦草峠を挟む区間
A長野県佐久穂町内 5.2km 12月下旬〜4月上旬 別荘地の辺り
B長野県佐久穂町〜群馬県上野村 18.7km 12月下旬〜4月上旬 十石峠(県境)を挟む区間
352号線 @新潟県長岡市内 2.6km 12月上旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
A新潟県長岡市内(旧山古志村) 2.4km 11月下旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
B新潟県魚沼市〜福島県檜枝岐村 76.4km 11月中旬〜6月中旬 奥只見樹海ラインの区間
353号線 @新潟県湯沢町内 3.3km 12月上旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
A新潟県十日町市〜津南町 2.9km 11月下旬〜6月中旬  
360号線 富山県境〜岐阜県飛騨市 20.4km 11月中旬〜5月下旬   天生峠(県境)の岐阜県側
365号線 福井県南越前町〜滋賀県境 4.2km 12月上旬〜3月下旬 滋賀県側はスキー場があるため県境まで閉鎖なし
403号線 @新潟県小千谷市〜長岡市 6.2km 12月上旬〜6月上旬  ★   
A新潟県上越市内 7.7km 11月中旬〜7月上旬 通行不能区間の端部
B長野県飯山市内 11.3km 11月上旬〜6月中旬 通行不能区間の端部
405号線 @群馬県中之条町内 11.4km 12月上旬〜4月下旬     通行不能区間の端部
A長野県栄村内 3.4km 12月上旬〜5月下旬 通行不能区間の端部
B新潟県十日町市内 9.0km 11月下旬〜6月下旬  
416号線 @福井県勝山市内 1.6km 12月上旬〜3月下旬     通行不能区間の端部
A石川県小松市内 18.4km 12月上旬〜5月下旬 尾小屋町集落から行き止まりまでの区間
417号線 岐阜県揖斐川町〜福井県池田町 25.8km 11月中旬〜3月下旬 冠山林道(県境)を挟む前後の区間
471号線 富山県富山市〜岐阜県飛騨市 15.6km 11月中旬〜5月下旬 楢峠(県境)を挟む区間(472号線も重複)
476号線 @福井県大野市〜福井市 7.4km 12月上旬〜3月下旬 丁峠を挟む区間
A福井県池田町内 1.7km 12月上旬〜3月下旬 通行不能区間の端部
 近畿 306号線 三重県いなべ市〜滋賀県多賀町 13.7km 12月中旬〜3月下旬 鞍掛峠(県境)を挟む区間
309号線 奈良県天川村〜上北山村 16.0km 12月中旬〜4月中旬 昔の行者還林道の区間
371号線 和歌山県高野町〜田辺市 42.7km 12月中旬〜3月下旬 旧:高野龍神スカイラインの区間
425号線 奈良県下北山村内 1.0km 12月中旬〜3月中旬 白谷トンネル付近
429号線 兵庫県宍粟市〜波賀町 6.5km 12月中旬〜3月中旬 高野峠を挟む区間
477号線 滋賀県甲賀市〜三重県菰野町 17.7km 12月中旬〜4月中旬 旧:鈴鹿スカイラインの区間
482号線 兵庫県香美町〜鳥取県若桜町 6.6km 12月上旬〜3月下旬 県境・不通区間の林道を含む区間
中国四国 433号線 広島県北広島町〜安芸高田市 4.8km 12月上旬〜3月中旬   二重谷峠を挟む区間
438号線 徳島県美馬市〜三好市 11.8km 12月下旬〜3月下旬   美馬市木屋平から見ノ越の峠道の区間
つるぎ町〜見ノ越は夜間のみ閉鎖
439号線 @徳島県三好市内 9.0km 1月中旬〜3月下旬 見ノ越(=起点)から最初の集落まで
A徳島県三好市〜高知県大豊町 12.7km 12月下旬〜3月下旬 京柱峠(県境)を挟む区間
488号線 @島根県益田市〜広島県廿日市市 24.9km 12月中旬〜3月中旬     三坂峠(県境)を挟む区間
A広島県廿日市市〜広島市佐伯区 7.2km 12月中旬〜3月中旬  

(1−11)重複区間
最後に「重複区間」について少しお話しておきます。
これは日本だけでなく、道路先進国のアメリカやヨーロッパでも同じですが、各路線は単独したものでなく、重なっている部分もたくさんあり、1つの道路で複数の路線番号を持つ区間がたくさんあります。それを総称して「重複区間」といいます。
日本の話に戻りますが、国道同士で重複するものもあれば、国道と県道,あるいは県道同士の重複区間など多々あり、重複も2路線だけでなく、3路線,4路線も重複している区間もあります。
例として、私の住んでいる京都市に国道9号線があります。これは京都市の烏丸五条が正式な起点で、山口県下関市の下関駅西口が正式な終点です。しかし、烏丸五条〜堀川五条の0.7kmが国道1号線と重複しており、山口市の交通センター前〜下関市の印内は47.6kmにわたり国道2号線と重複区間になります。またその間も数多くの格下国道,府県道と重複区間になっています。従来の路線表記では、国道と県道なら国道を、同じ種類の道路であれば若い番号の路線名で表記されていました。ところが最近は重複区間は複数表記になっている場所が増えています。国道9号線は京都市内も1と9の両方で案内標識が入っています。しかし山口県の2号線との重複区間は併記されていません。国道と県道でも、9号線ではありませんが並列表記になっている場所も見ました。県道同士でも並列表記になっている場所も京都で見受けられます。
でも、並列表記はまだまだ徹底されていない部分の方が全国的に多いのが実情です。アメリカの場合は、ドライブして知っていますが、並列表記が徹底されていて、利用者にわかりやすいようになっています。

ちなみに私のサイトでは路線別の距離計算をする際に、「単独キロ」という表現を使っています。これは正式な路線の距離から格上の路線の距離分を引き算して計算しています。一例として国道9号線は651.0kmが正式な距離ですが、1号線の0.7km,2号線の47.6kmを減算して602.7kmを9号線の距離としております。もちろん1号線や2号線は重複区間は全て格下国道なので、正式距離=単独キロです。