(テーマ6)酷道    

このテーマでは、「酷道」に焦点を当てました。
テーマ1で示した「国道」に持つイメージは一般的にどう考えますか?
 ★地域の道路交通で基幹になる路線
 ★片側1車線の交通は確保されている
 ★歩道,ガードレール,道路標識などが整備されている
 ★急坂,急カーブを少なくし、必要に応じてトンネルや橋梁がある
などあげられます。大半の国道はそうですが、中にはその正反対の実情を持つ路線もあり、それを「酷道」と呼んでいます。
「酷道」というのは「酷い状態の国道」を皮肉的に言った俗語です。しかし、書籍が出版されたり、道路地図や国会発言などでも取り上げられていることから、かなり広く一般的な言葉として現在は普及されつつあります。
同じように県道=「険道(=危険な道)」,府道=「腐道(=腐った道)」,市道=「死道(=死亡事故に遭うような道)」など皮肉った当て字がそれぞれありますが、都道府県道でも「酷い道」の代名詞として「酷道」を用いることも多いです。

(6−1)酷道の種類
酷道だけを選りすぐって探検する「酷道マニア」は、私のようにまんべんなく全ての国道を走りたいという人より多いみたいです。「酷道」で検索するだけでたくさんのWebサイトに行き当たります。私もいろいろ楽しみながら読まさせていただいていますが、「酷道」でもいくつかのパターンに分かれることがわかりました。

パターン 内容 具体例(国道)
点線国道 国道が峠を挟んで分断しているような区間は22路線ありますが、不通区間を持つ国道全てに該当するのではなく、車の往来は分断されていても、林道や登山道などで歩行者(その気になれば自転車も…)は往来できるような道が存在するもの(国土地理院の地形図には国道として色をつけている場所もある) 152号線,291号線
305号線,403号線
417号線など
狭路の峠道 点線国道のように登山道ほどでもないが、車の往来がなんとかギリギリ確保できるぐらいの道しかなく、峠をショートカットするトンネルも、わずかな距離しかないため、そこまでに上り下りするのが大変な道。
急坂,急カーブは当たり前、崖崩れにも注意が必要で、大雨の後は度々道路崩壊による通行止も多い。
全国的に有名な酷道はほとんどがこの部類に入ります。
157号線,265号線
308号線,425号線
439号線など
狭路の海岸・峡谷 海岸線,峡谷沿いで道路幅が確保できずになんとか車の往来ができる道。当然ながら落石(積雪地区ならなだれ)の発生確率も高く、Bと同じように悪天候の後は通行止になりやすい。 226号線,352号線
388号線など
軒下酷道 これは街中にある国道ながら、住宅スレスレの道幅しかないような狭い道で、中には商店街のアーケードで昼間は車両通行止になっているようなものもあります。 170号線(旧道)
166号線,324号線など

(6−2)有名な酷道
日本の国道459路線の中で、酷道として有名なものをまとめて一覧にしました。他のページと同じく地区ごとにまとめております。
酷道レベルはその「エグさ」によって三段階に分けています。★★★は「日本10大酷道」と私が名付けたとっておきの10路線で、素人ドライバーは決して行こうとしないこと。★★を難なくクリアできる運転技術を持ってから臨んでください。★はプチ酷道みたいなもので、路線の大半は2車線以上の普通の道路です。(パターンAで車が通ることができない道は、ハイキングで歩いて行くか、マウンテンバイクで行ってください)
青色に塗っているのはイカロス出版から発行している「酷道をゆく」というムック誌にも掲載されています。
赤色に塗っているのは同じく「酷道をゆく 2」というムック誌に掲載されています。
「実走済み」のマークは酷道区間と呼ばれている区間を走行したかどうかの履歴です。分断区間の両端までは行ったけれど、自動車通行不能区間を実際に見ていない場所は「★」マークをつけていません。

日本最恐酷道トップ3といわれる路線は、人によって違いますが、だいたいは以下の意見でまとまっています。
 @国道418号線(東海北陸) A国道157号線(東海北陸) B国道425号線(近畿)
四国最恐の439号線,九州最恐の265号線,甲信越最恐の352号線がそれに続く路線でしょう。国道418号線はダム建設に伴うバイパスが順次開通しており、全通すればただの国道になるためこのリストから外れる可能性もあります。
私の独断と偏見で見て、もう行こうと思わない路線は、1位:425号線 2位:265号線 3位:157号線ですね。抜け道にもならないし、とんでもないくらい緊張感が長い時間続くし、途中でアクシデントが起きたら助けを呼ぶような車も殆ど通らないというのが理由です。
北海道に関してはは5割程度の路線を走りましたが、峠道はあっても基本的に快走路ばっかりでしたし、いろいろな酷道サイトを見てもありません。現時点では「なし」の判断です。

これを参考に酷道にチャレンジしてみたいと思う方がいるかもしれませんが、いくつかアドバイスをしておきます。
1.狭路区間で車は殆ど通りませんが、それでも抜ける車もあり、かなり厳しい場所ですれ違いなどをすることもあると思うので、ある程度の運転技術だけは身につけてから行って下さい。いきなり★★★クラスはヤバいので、まず★くらいで難なく走れることを見極めてから、★★や★★★レベルを目指しましょう。
2.必ず事前に通行できるか道路情報で確認してから出かけましょう。JATICの情報サイトはリアルタイムに正確な情報を出しているので信憑性があります。
3.通行止め・冬期閉鎖がないと分かっていても、悪天候(大雨・雪・台風など)の時は入らないことをお勧めします。
4.走破に時間がかかるルートの場合は、昼間にヤバい区間は全部抜けられるようなスケジュールで入って下さい。夜の酷道は私でも怖いです。
5.途中で落石・落枝によりパンクなどのトラブルがあるかもしれません。スペアタイヤまたはパンク応急キットなどの準備はした方が良いと思います。恐らく携帯電話も「圏外」になる場所が多く、JAFなどに救援すら頼める状況ではない可能性もあります。

地区 路線名 パターン 酷道の内容 酷道レベル 実走済
東北 国道101号線 追加指定された能代〜秋田間は正しく走行することが困難な狭路区間が多数存在しています。
国道112号線 月山〜湯殿山は月山道路が開通しているが、自動車専用道路のため旧道の六十里越も国道として健在しています。狭いとはいってもまだ初心者でも走りやすい感じです。
ただ冬期閉鎖があるし、自然災害で通行止めになりやすいので開かずの国道です。
国道286号線 山形道が並行しているが笹谷峠の区間はかなりキツい峠で、通年で崩落通行止の時期もありました。1年の半分は積雪通行止で強制的に高速道路を走ることになります。 ★★  
国道289号線 八十里越えの区間が点線国道となっている。現在3,173mのトンネルを建設し、不通区間を解消できるようにする予定。以前にあった甲子峠の登山道は4,345mのトンネル開通により解消  
国道340号線 標高780mの立丸峠と標高530mの押角峠が急カーブ,狭路で困難を必要とさせられている ★★  
国道338号線 冬期閉鎖になる海峡ラインの区間が長距離にわたって断崖絶壁の狭路が多く走りにくいですが、まだ走りやすい方かもしれません。
国道399号線 すれ違いが困難な山間部の狭路区間が続く、地味な酷道。距離が長いだけにキツい。
東日本大震災の原発事故の影響で15.2kmは立入禁止区間となっています。
★★
国道400号線 福島県西会津地区の杉峠越えの区間が狭路で走りにくいですが、あとは全体的に整備されています。  
国道401号線 国立公園である尾瀬沼を通る登山道が国道の分断区間になるため、この区間が道路で繋がることは未来永劫ありえないと思います。  
国道458号線 B,D 国道唯一かもしれないダート峠が残されています。また軒下酷道の区間も存在しています。 ★★
首都圏 国道139号線 追加指定された大月〜奥多摩間の松姫峠こえがエグいくらいの悪路で、3066mのトンネルが建設中 ★★
国道299号線 群馬県と長野県を超える十石峠が難所で狭路区間の連続となっています。標高2127mの高所を通る麦草峠は快適ドライブルートです。  ★★
国道410号線 房総半島の中を抜ける狭路が残っている。素堀りのトンネルも名物になっています。
東海北陸 国道143号線 青木峠越えのルートは歴史こそ古いものの、狭路と急勾配・急カーブのため交通量が少なくなり、254号線などの並行ルートがあるため道路改良はする予定がない模様
国道152号線 A,B 青崩峠,地蔵峠の2つの分断区間を持ち、登山道としては存在している。行き止まりまでの道路が全く手をつけないでいるため、落石などがゴロゴロしている。(車は林道で迂回可能) ★★
国道157号線 「落ちたら死ぬ!」という強烈な看板や、数ヶ所ある洗い越しで有名。現在も土砂崩れで長期間通行止めになっている区間があり、手つかずの状態 ★★★
国道158号線 県境を越える標高1790mの安房峠越えは、ヘアピンカーブが芸術的にきれいですが、狭路がゆえに行楽シーズンは立ち往生で渋滞を起こし、冬は当然ながら閉鎖されていました。現在も本線は安房峠越えですが中部縦貫道の安房峠トンネルが開通し、通年走行が可能になっています。 ★★
国道256号線 A,B 国道152号線の接続点から小川路峠を越える区間が点線国道となっている。474号線の自動車専用道路は建設されているが、256号線としては手をつける気はなさそう。  
国道291号線 谷川岳付近の清水峠が点線区間だが、登山道も崩落して歩行者さえも通行が不能の状態になっています。 ★★  
国道352号線 A,B,C 魚沼市大湯〜檜枝岐村までの枝折峠区間は強烈な狭路が続き昔はダート酷道であった時期や、時間帯で一方通行規制が入っている時代もありました。そこからの樹海ラインも全く民家すらなくダム湖の脇を走る断崖絶壁の狭路で洗い越しもたくさんあります。甲信越最恐の酷道と言っても過言ではないと思います。また、新潟県の花立峠区間は点線国道区間になっています。 ★★★
国道353号線 十日町〜津南町までの信濃川沿いの区間は狭路が続き、大型車は通行不可。県境越えの不通区間は全く道がないです。
国道360号線 A,B 悪名高き標高1289mの天生峠は頻繁に崖崩れで通行止めになり、開かずの国道として有名な場所です。 ★★  
国道362号線 静岡県内の浜松市天竜から川根本町へ抜ける峠道と川根本町から静岡へ抜ける峠道は1〜2車線の延々と続くワインディングロードで面倒です。
国道363号線 殆どの区間は普通に走ることができますが、恵那市岩村町から中津川に抜ける区間だけ大型車が通れないような狭路の渓谷ルートが残っています。まだ酷道初心者向きです。
国道403号線 A,B 元々は県道であった路線をつぎはぎしているから、道路改良が進まず狭路で残っている区間が多い。しかも国道の長さで21番目に入っているからタチが悪い。 ★★
国道405号線 A,C 県境越えの不通区間は歩道みたいなものはあるものの、歩行には危険を要するような道で、長野県側は狭路でかつ有数の豪雪地帯 ★★  
国道417号線 分断区間を冠山林道がつないでいるが、当然狭路区間で走りにくい。現在6,000m級のトンネルを建設中 ★★  
国道418号線 A,C 「キングオブ酷道」と言われ、多くの酷道ファンに愛着がある。不通区間はない扱いになっているが、恵那〜八百津は事実上の廃道で車の通行は不能。ダム湖に沈むため新道が開通すれば、後述の「かつての酷道」にリスト入りすることになるかもしれません。 ★★★  
国道469号線 富士宮〜山梨県南部町に抜ける桜峠は大型車の通行が困難なレベル。酷道レベルとしては初心者向け
国道471号線 B,C 楢峠は冬期は積雪で閉鎖,夏期は大雨などによる災害通行止めで、通年を通して通ることができる期間がほとんどない。 ★★★
国道473号線 B,C 愛知県〜静岡県の山の中を大廻りするルートで狭路区間も多数残っている。しかも完走するには重複している362号線の狭路区間を80kmも走らなければならないというタチの悪さです。 ★★
国道476号線 A,B 大野市から池田町に抜ける「丁坂」と呼ばれる狭路はかなりの悪路で冬期も除雪困難なため閉鎖されています。また不通区間の段ヶ岳峠は大坂と呼ばれる歩道はあるのですが、たった数キロの開通は目処も経っていない状況
近畿 国道25号線 B,D まさか二桁国道に酷道?と思っていますが、名阪国道と並行する旧道区間(天理〜関)は、現在も国道のまま存在しており、各所に狭路が残っている。柘植〜関は採石場で大型ダンプも通行するため、アスファルトが剥がれかけて半ダート状態。
国道166号線 大阪府区間でナビがなければ、正しくトレースするのが困難な軒下酷道がある。終点付近は駅前商店街で車両通行禁止の場所もある。奈良県の大和高田市内にも一方通行区間あり。
国道169号線 七色ダム,瀞峡付近では、不通区間の名残で狭路が残っているが、順次改良中。
国道170号線 大阪外環状線の新道に並行する旧道で、軒下酷道が各所に残っており、近鉄瓢箪山駅付近はアーケードのため夜間以外は歩行者専用道路になっている。
国道308号線 B,D 近畿三強酷道の一つ。暗峠越えの区間は大阪府側が勾配36%の国道最大急坂で有名。また峠が石畳で、奈良県側も至る所に軒下酷道が残っている。 ★★★
国道309号線 これも近畿三強酷道の一つ。行者還林道をそのまま国道にしたから、当然狭路で崖崩れもおきやすい。 ★★★
国道311号線 尾鷲〜熊野間の海岸線は、かつては不通区間ももっていた筋金入りの酷道でしたが、2001年に曽根梶賀トンネルで全線開通し、狭路もなくなりつつありますが、熊野市甫母という漁港町には大型車を通行禁止にする狭路があります。
国道368号線 仁柿峠は8t車以上は通行禁止の狭路区間。バイパスは建設しているものの進展なし。
国道371号線 A,C 橋本から高野山への道路は大型通行禁止に規制され、林道などの迂回路はあるが分断区間が2つもある。また古座川町辺りの道路も狭くて走りにくいので、串本に着く時にはヘロヘロになります。 ★★
国道422号線 A,B 伊賀市より南側で2つの不通区間を含み狭路が多数存在する。トンネル崩落により迂回路設定だけで10年以上も放置されている場所もある
国道424号線 B,D 海南市〜有田川町への生石高原の裾を通る区間は大型車はムリなくらいの狭路で、軒下酷道(一方通行でないのがすごいくらい)も少し残されている。
国道425号線 B,C 200km近い全区間が狭路という日本三大酷道の1つ。近畿では最恐レベル。年間を通じて降水量が多く、度々土砂崩れによる通行止めがあり、一部区間は冬期閉鎖になる。 ★★★
国道429号線 県道をつぎはぎして1つの国道にしたようなもので、全長254kmもある中で、単独区間になっている区間の大半が大型車が通行困難な狭路になっています。 ★★
国道477号線 花脊峠のV字交差点と百井越えの急坂が有名。 ★★
国道480号線 高野山から南側の狭路区間が標高も高くかなり走りにくいレベルですが、大阪府・和歌山県の鍋谷峠越えはバイパスとトンネル開通により狭路がなくなりました。
国道482号線 氷ノ山越えの不通区間を林道で結んでいるが、自動車が通るのが非常に困難なレベル ★★
中国四国 国道184号線 島根県飯南町の54号線から北に分岐した区間だけが大型車通行止の狭路区間がありますが、それほど厳しい峠道でもなく他は快走路なので酷道初心者向けです。
国道193号線 A,B 192号線より南側の区間はほぼ全線にわたり、山間部の峠道で、通行止めにもなりやすい。雲早峠の区間は国道の指定から外され県道になっている。 ★★  
国道319号線 徳島県三好市〜愛媛県四国中央市の金砂湖はダム湖の狭路区間が続く ★★
国道378号線 八幡浜〜宇和島はリアス式海岸の断崖をぬうように狭路が続く ★★
国道438号線 四国国道最高地点の見ノ越(標高1,410m)を通る断崖区間が続く酷道 ★★★  
国道439号線 B,C 上記438号線の見ノ越が実質の起点となり、京柱峠,杓子峠や檮原川沿いの狭路区間と強烈な区間ばかりを持つ、四国最恐の酷道。「ヨサク」の愛称がある。 ★★★
国道441号線 B,C 愛媛県側の桜が峠から土屋峠越えの峠道と高知県側の四万十川沿いの狭路区間が結構きつい
国道488号線 標高960mの三坂峠越えがガードレールのない狭路区間となっています。中国地区では最も厳しい酷道で、土砂災害による通行止めも多いです。 ★★  
国道490号線 笹目峠の区間が悪路すぎて山口県が「通らずに県道を迂回せよ」という標識がある。
国道491号線 490号線の方が話題にはなっていますが、実際走ってみると491号線の方が北部にかなり厳しい狭路が残っている。  ★★
国道494号線 四国を縦断する酷道で、標高980mの黒森峠が最大の難所 ★★
九州 国道226号線 追加指定された枕崎市以西の海岸線で狭路区間が存在し、緊張感を持たせる道路になっている。
国道265号線 九州最恐の酷道と恐れられ、小林〜西米良〜椎葉の区間が強烈な狭路で、崖崩れも放置状態。大雨の度に通行止めにもなる ★★★
国道324号線 長崎市内にアーケードが国道になっているため、車両は夜中の5時間しか通行できない。
国道327号線 椎葉村に近づくほど峡谷の崖をぬうような狭路になる
国道388号線 B,C 国道265号線とセットで走りにくい狭路が続く。こちらは東九州道に並行する海岸線区間も狭路が多数残っています。 ★★
国道445号線 五木村と美里町を結ぶ標高1100mの二本杉峠はかなりの狭路で、特に美里町側は断崖の急坂路線となっています。 ★★
国道447号線 えびのから伊佐への県境峠越え区間に狭路があり、ほとんど車も通らない感じ
国道496号線 国道500号線と交差する原峠に行橋方面から登る道が非常に狭い
国道500号線 国道496号線と分岐する原峠から西側の区間で狭路が残っていて、冬期閉鎖はされていないのですが、九州でありながら積雪による通行止めが頻繁に発生する区間です。
国道503号線 単独区間のほとんどが狭路で、飯干峠への上りは相当きついものがあります。 ★★

(6−3)かつては有名であった酷道
昔は有名な酷道でしたが、時代の流れと共にバイパスなどが開通して普通の国道になり「走り」のおもしろみが欠けてきた路線も数多くあります。
昭和57年に国道が追加指定されて、449号線までになったときは、日本の国道の1/3は「酷道」の扱いを受けるような状態であったと思っています。そこまでは遡ることはありませんが、私がこの国道制覇を手がけた2002年辺りを基準として、すでに酷道ではなくなってきた路線を以下に挙げていきます。


地区 路線名 内容
(上段:酷道時代の内容 下段:現在)
酷道レベル
パターン
実走済
東北 国道121号線 山形県/福島県の県境を越える大峠区間はダートも残っているくらいの激しい路線でした。 B(★★★)  
長さ3940mの大峠トンネルが開通したために、旧道の崩落部(山形県側)は復旧させずに廃道になりました。大峠道路も取り付け道路が開通し、旧道は国道の指定を外れており、山形県側は実質的に廃道となっています。  
首都圏 国道140号線 県境を越える雁坂峠は標高2082mのハイキングコースでした。峠付近にはこの登山道の真ん中にトイレがあるということで話題になっています。 A(★★)  
国道では最長級といわれる6625mの雁坂トンネルが開通し、不通区間を解消しています。  
東海北陸    国道260号線 かつては不通区間も存在していたが、漁港町をつなぐ峠道がすべて狭路で急坂の連続でした。また街中も軒下を走る区間が多くありました。 B,C(★★)
ほとんどが2車線の道路になり、峠道はトンネル・迂回路でアップダウンをなくしています。最大の難所であった錦峠も紀勢南島トンネルの開通で走りやすくなりました。  
国道365号線 いなべ市内に民家の間をすり抜ける軒下酷道があり、大型車はもちろんのこと、普通車も通り抜けるのが大変な場所もあった。 D(★★)
員弁バイパスが全通したため、四日市〜岐阜県境まで2車線で不通に走れるようになりました。
旧道は国道指定から外されているところと、現在も国道のまま残っている区間があります。
 
近畿 国道178号線 丹後半島を一周する区間は、狭路の連続で、特に伊根町の舟屋に沿った軒下酷道の狭さはなんともいえないレベルでした。 C(★)
経ヶ岬周辺に狭路が残っていますが、ハイライトの伊根町市街地は伊根トンネルを含めたバイパスが完成し、市街地の旧道は国道指定から外れています。  
国道421号線 滋賀−三重県境の石榑峠から三重県側はあまりの急坂と狭路のため、その区間の両端に幅2mちょうどのコンクリートブロックなる関所を設置していました。マニアでは有名な「石榑ブロック」です。 B(★★★)
長さ4157mの石榑トンネルが開通し、酷道区間が解消されただけでなく、冬期閉鎖区間もなくなり通年走行が可能になりました。旧道は崩落のため三重県側が廃道となり、国道の指定から外れました。  
四国 国道440号線 単独区間がほとんどないくせに、標高1080mの地芳峠は冬期閉鎖の急坂・急カーブの狭路で、難所といわれてきました。 B(★★)   
2010年に長さ2990mの地芳トンネル開通により難所の区間はほぼ直線的になり、通年走行も可能になりました。旧道も現時点では国道として残っており、四国カルストの観光客のためにも廃道とはならないでしょう。     
九州 国道219号線 人吉〜西都の西米良村を通る区間で断崖渓谷の狭路区間が多数残っており、土砂崩れによる通行止めも発生しやすかったです。 C(★★)
道路拡張・トンネルなどによるショートカットの工事が進み、ほぼ全区間において2車線通行が可能になっています(2013年の走行で確認)