国道308号線                 

①快適さ→★★(大阪府内は渋滞で、峠越えからは悪路で時間がかかります)
②退屈度→★★★★(退屈しないがあまりにもエグ過ぎて緊張します)
③整備度→★★(近畿三大酷道の1つだが、起点~石切までは整備されています)
④景色→★★★★(奈良県側も大阪府側も結構見渡せる場所があります)
⑤施設→★★(狭路区間は何もない)
⑥観光地→★★★(枚岡公園・霊山寺・西の京[薬師寺・唐招提寺]など)
 
総合評価点
61
正規区間 起点 大阪市中央区(新橋) 終点 奈良県奈良市(三条大路2丁目) 32.1km
実質区間
(端末重複区間)  
起点側 なし 0.0km 32.1km
終点側 なし 0.0km
重複区間
単独キロ  
上位 国道170号線⇒大阪府東大阪市(東山町~箱殿) 0.8km 0.8km 31.3km
下位 国道479号線⇒大阪市東成区(新深江~深江橋) 1.2km 0.0km
未開通区間 なし   0.0km
海上区間 なし   0.0km
本線に並行する
主なバイパス  
第二阪奈道路(有料) 大阪府東大阪市(西石切ランプ)~奈良県奈良市(宝来ランプ) 13.4km
 
1997年に一気に全線開通し、奈良市内方面の一般道も一部が308号線のバイパス扱いとなっています。
経由地 大阪府 大阪市,東大阪市
奈良県 生駒市,大和郡山市,奈良市
道の駅 なし
接続国道・高速道 【大阪市】→国道25号線(八尾・奈良方面) 国道479号線(南港方面/守口・豊中方面)
【大阪府東大阪市】→近畿道(東大阪北IC) 国道170号線(寝屋川・高槻方面/八尾・河内長野方面)
【奈良県生駒市】→国道168号線(枚方方面/大和高田・新宮方面)
【奈良県奈良市】→国道24号線(木津川・京都方面/橿原・和歌山方面)

●実走レポート(2009年10月) 
 この国道は、国道をよく研究している人なら全国的に有名な国道で、425号線・309号線と並ぶ近畿三大酷道の1つです。大阪と奈良を結ぶ最短の国道ですが、昔からこの国道に近い位置に阪奈道路(現在は無料で府道/県道になっている)という片側2車線の道路が昭和40年代からあったので、国道308号線は国道でありながら全く整備されない状態にありました。ところがその阪奈道路も老朽化してきており、また大阪府側の数多くのヘアピンカーブが事故なども多発していたので、今度は国道308号線バイパスとして石切から生駒まで5,578mの勾配トンネルで一気に突き抜ける第二阪奈道路を開通させました。だから旧来からの国道308号線は改良されることもなく、酷道としてずっと健在しております。
国道25号線(御堂筋)の起点から、長堀通・千日前通と走るあたりは、都市部の幹線道路という雰囲気で、「近畿三大酷道」とは全く思わせない状態です。国道479号線(内環状線)の交差点になる深江橋から阪神高速東大阪線の下を走ります。昼間は相当の交通量にもなるため、相当渋滞も起こります。石切で新道の第二阪奈との分岐を過ぎ、国道170号線の旧道と少し重複しますが、箱殿交差点から308号線の本領を発揮する単独区間に入ります。
 最初はそうでもないのですが、近鉄奈良線のガード下をくぐると「国道はどっち?」という錯覚になります。実は正面に見える一方通行の急坂路地が国道ですが、大阪側からは一方通行の逆走になるので少し回り込み、枚岡公園の付近で308号線に合流できます。両通区間になっても一方通行の区間と全然変わらない狭さで、住宅街の路地かハイキングコースといった感じです。ここから暗峠までは強烈な上り坂で、平均勾配20%,最大勾配37%で国道では日本一らしいです。滑らないようにアスファルトではなく丸い溝のあるコンクリート舗装ですが、それでも相当きつい坂で、マニュアル車は泣きを見るでしょう。すれ違いがあった時は狭さと急坂ゆえどうするのでしょうか?そして奈良県との県境になる暗峠は石畳になっています。誰が見ても車の通る国道とは思えません。
 奈良県側に入ると改良された場所もあり少し道も広くなりますが、民家の中を通るところは非常に狭い箇所が随所にあり、大阪側と同じように一方通行区間もあります。ところどころで308号線のバイパス扱いにもなっている第二阪奈道路を横目で見ながら走るところもありますが、雲泥の差です。奈良市の砂茶屋交差点を過ぎると、やっとマシな道幅になりますが、路線バスが通るので、それが来たら離合が非常に大変な軒下酷道の部分もあります。尼ヶ辻から国道24号線と交差する終点までは、4車線に拡幅する工事を行っています。(2010年に拡幅完了)
 石切~奈良(富雄川の交差点)間は車の通る道ではありません。「通行はご遠慮ください」という看板があるところもあるし、幅1車線部分で万が一脱輪でもしてしまうと、即座に国道封鎖になります。怖いもの見たさに走る人は一度行ってみてもいいかもしれませんが、事故(特に自損系)の責任は負いませんのであしからず

●沿線フォトギャラリー
1→R25(御堂筋)の新橋交差点から分岐してR308は始まります。 2→最初は「長堀通」と呼ばれ、下に地下鉄も走っています。 3→このへんで長堀通は終了になります。
4→これは1回目(2003年)の時に撮影した早朝5時前後の状態です。さすがに空いてますね。 5・6→R479と少し重複して、この深江橋交差点から阪神高速東大阪線の下を走る側道(通称:中央大通り)になります。
7・8→近畿道・中央環状線と交差する荒本交差点です。道路が非常に複雑で走行レーンを間違えれば違う場所に行かされるかもしれません。 9→R170(新道)と交差する被服団地前交差点でR308はさらに東に行きます。
10→308号線のバイパス扱いにもなっている第二阪奈道路の入口で、入ってすぐ5,000m以上のトンネル区間になります。 11→R170(旧道)と交差する新石切駅前交差点でR170と重複します。(R308は右に入ります) 12→箱作交差点で左に入り単独区間になりますがR308の表記もなく行き先も枚岡公園としか書いていません。
13・14→まだ最初は普通の住宅街を走る道で308号線の表記もありました。 15→近鉄のガードを越えたところで矢印の標識が示すように正面の進入禁止のある超狭い道路が国道です。
16・17→先ほどの写真の一方通行区間を奈良方面から撮影したものですが、とても国道とは思えませんね。家の隙間から大阪市街地がよく見えます。さぞ夜景はきれいでしょう。 18→ハイキングコースといわれてもしょうがない道です。
19・20→このあたりが国道日本一の急勾配区間で最大37%あります。昔に原付で登ろうとしたけどエンジンが焼き付いて止まりました。 21→どう考えても標識がなければ左側に行くとは思えない分岐です。普通乗用車でも脱輪すれすれの幅でした。
22→有名な石畳国道の県境部分です。ここから奈良県に入ります。 23→奈良県の方が地元住民のために少しは道路を改良しているみたいです。 24→しかし奈良県も大半はこんな道です。
25→こんな超狭路区間でも308号線であることをアピールしています。 26→奈良県にもあった一方通行区間で起点(大阪市)から終点(奈良市)に向かうためには迂回します。 27→ここの一方通行区間を走ってみましたがそれほどびっくりするくらい狭くもないです。
28→近鉄生駒線を越える部分ですが先に続く区間に不安を感じるような狭さです。 29→一旦広い道に出ますが、信号はおろか何の標識もありません。(地図では右が正しい方向です) 30→看板を見る限りでは冬は除雪なんかする気ないんでしょうね。
31→この場所なんか農道といわれても仕方がないくらいです。 32→民家の軒先にある電柱に国道標識がありますが30年くらい前からあったような古さです。 33→これはまた間違えやすい場所で実は左側が国道の分岐です。標識もないのでナビなかったらほとんどの人は間違うと思います。
34→こんな狭い道が突然として現れるんです。 35→「国道308号車両通行困難」と書かれているのも理解できます。 36→奈良県区間もかなり狭い道を走りましたがまもなく終わります。
37・38・39→奈良県の砂茶屋交差点を過ぎると幾分かは走りやすい国道として許せる範囲の道になりますが、路線バスも走っているので右側のような軒下区間はすれ違いが結構大変です。
 
40→奈良市内は平城遷都1300年イベントも兼ねて道路拡幅工事が行われています。(2010年に工事は完了しました) 41→R24の三条大路二丁目交差点が終点になります。   
 
42・43→これは308号線のバイパス扱いになっている第二阪奈道路です。この道路があるから現道は改良する気がないのでしょう。無料になればこちらが308号線本線となり、暗峠街道は府県道格下げになると思います。