国道371号線               

①快適さ→★★(分断区間による大廻りや狭路の走りにくさで快適には走行できません)
②退屈度→★★★★★(近畿三大酷道に次ぐえぐさで二度足を踏み入れようと思わせないレベル)
③整備度→★★(分断区間をつなぐのはそんなに難しくないはずだけどほったらかし状態)
④景色→★★★(旧スカイライン以外は視界も悪くいつまでも同じところを走っている錯覚になる)
⑤施設→★(橋本から串本まで道の駅以外ははっきり言って何もないので注意)
⑥観光地→★★★(高野山,護摩壇山,龍神温泉などで後半は古座の一枚岩ぐらい)
 
総合評価点
53
正規区間 起点 大阪府河内長野市(本町) 終点 和歌山県串本町(高富) 200.3km
実質区間
(端末重複区間)  
起点側 なし 0.0km 200.3km
終点側 なし 0.0km
重複区間
単独キロ  
上位 国道370号線⇒和歌山県橋本市(清水)~(向副) 1.3km
国道311号線⇒和歌山県田辺市(中辺路町川合)~(中辺路町栗栖川) 4.2km
▲5.5km 194.8km
下位 国道480号線⇒和歌山県高野町(高野山)~(花園中南) 14.0km
国道425号線⇒和歌山県田辺市(龍神村湯ノ又)~(龍神村西) 13.6km
0.0km
未開通区間 和歌山県田辺市龍神村東~田辺市中辺路町小松原(笠塔峠区間)
 県道735号線と林道で不通区間を迂回できます。バイパス建設は途中で凍結状態です。
4.5km
和歌山県田辺市木守~古座川町平井(高雄峠区間)
 玉の川林道で迂回できます。
海上区間 なし   0.0km
本線に並行する
主なバイパス  
高野龍神スカイライン   高野山~龍神温泉までの有料道路でしたが、無料化と同時に371号線の本線扱いになってます。旧道の480号線重複区間は花園中南までの15.8kmは国道371号線として残っていますが、そこから南側は指定を外れたため枝線のようになっています。
(旧道枝線部のレポートは国道480号線を参照してください)
  
経由地 大阪府 河内長野市   
和歌山県 橋本市,高野町,かつらぎ町,有田川町,田辺市,古座川町,串本町
奈良県 野迫川村(高野龍神スカイラインの県境区間で一部入り込むだけ)
道の駅 (1)田辺市龍神ごまさんスカイタワー【和歌山-24】
(2)龍神(和歌山県田辺市)【和歌山-4】

(3)一枚岩(和歌山県古座川町)【和歌山-19】
接続国道・高速道 【大阪府河内長野市】→国道170号線(八尾・高槻方面/泉佐野方面) 国道310号線(五條方面)
【和歌山県橋本市】→京奈和道(橋本IC) 国道24号線(粉河・和歌山方面/五條・奈良方面)
              国道370号線(九度山・海南方面)
【和歌山県高野町】→国道480号線(かつらぎ・岸和田方面/有田方面)
【和歌山県田辺市】→国道425号線(十津川・上北山方面/御坊方面) 国道311号線(本宮方面/田辺市内方面)
【和歌山県串本町】→国道42号線(田辺・和歌山方面/新宮・尾鷲方面)

●実走レポート(2005年8月) 

 この国道は、河内長野から紀伊半島を縦断して一番南端の串本まで続く道ですが、もともとは橋本市が起点だったんです。河内長野~橋本は170号線になっていた時があり、関西空港の開港が決まったら、170号線は泉佐野市までに変更になって、371号線に格下げされました。今でも紀見峠の旧道に170号線であった名残の標識があるみたいです。紀伊半島縦断国道は他に168号線・169号線がありますが、371号線は狭路が多く残り、2ヶ所の分断区間を県道や林道で迂回するため、非常に時間がかかる道なので、もう一回行くのはいいや…と思わせる道です。
 河内長野の駅前にある本町交差点が本来の起点ですが、170号線:新道の上原町交差点から住宅街を抜けるバイパスがあり、大半の車はこちらを経由します。高野山に続く道なので、「高野街道」と呼ばれ、和歌山県との県境は紀見トンネルで一気に越えられるようになりました。和歌山県側も住宅街になっており、橋本の24号線交差点までは車の交通量も多いです。
 橋本市内で24号線・170号線と少し重複した後から371号線の酷道ぶりの本領発揮となります。高野山へはこの道路以外に昔は高野山道路という、かつては有料道で今は国道370号線+480号線になったがあります。明らかに道も広く、高野山は観光地として有名なため、観光バスも含め95%は旧高野山道路で行くでしょう。371号線の狭さは中途半端じゃないので、普通車同士でも対向車がきたらびびります。路線バスが通る後半1/3はまだマシです。だから、運転に自信ない人は走るべからずです。
 高野山奥の院から南に行く高野龍神スカイラインが200310月に無料になって371号線になりました。これに伴い旧道の371号線はまだ標識として残っていますが、実質的には480号線に格下げになり、一部は国道の指定から外れました。龍神温泉まで50㎞以上ありますが、元有料道路だけあって超快適道路です。奈良県と和歌山県の県境ラインにあるので、何回も県境を越えるし、両側の山並みを見ることができます。護摩壇山山頂近くの標高1300m近くまで走るため、もちろん冬季積雪期は閉鎖です。
 龍神温泉は美人の湯として、秘境であるにもかかわらず多くの観光客が訪れる場所で、道の駅もあります。ここから日本三大酷道の425号線と重複しますが、スカイラインの続きになるので走りやすい道です。425号線から単独区間になってすぐに分断区間になりますが、県道と林道で反対側に行くことは可能です。既存の道をそのまま国道に昇格しても問題ない気がしますが、なぜゆえに分断区間のままにするのか理解できない場所です。峠道を下りながら311号線に合流してさらに南下しますが、この辺りは集落が点々としている狭い道を走ります。視界もいまいちなので、走る時間の割には進んでいない感じになります。田辺市木守で2回目の分断区間になりますが、ここも林道で迂回できます。こちらの分断区間はエグい酷道で通行止にもなりやすいので、そのうちトンネルで開通させるのでしょうか?371号線に復帰してからは、古座川の渓谷を下る狭い道ですが、渓流釣りらしい人しか見かけません。最近になって一枚岩の辺りに道の駅ができたらしいですが、分断国道のこんな辺境の場所に作って採算合うの?と思います。最後は古座川から離れ峠道を越えると、和歌山県の南端になる串本に着き、42号線と合流して終点になります。初めてここで海のそばまできていることがわかりました。
 


●沿線フォトギャラリー
1→河内長野にある起点は170号線から分岐しますが、新道と旧道の両方から分岐します。こちらは旧道の起点(本町交差点)です。 2・3→長さ1453mの紀美トンネルで、これを抜ける(=右側の写真)と和歌山県に入ります。トンネル入口の宣伝が派手です。これなら見逃す人はいませんね。
4→24号線との市脇交差点です。371号線はそのまま直進ですが何も書いていないのはなぜでしょうか?わかりにくい標識です。 5→市脇交差点を過ぎてすぐ紀の川を渡ります。 6→1.3kmだけ370号線と重複してまた単独区間になりますが、371号線方面は何も行き先表示がなく、ただ道路が狭いだけの表示です。
7→「大型車は高野山まで通り抜けできません」の標識がこの先の道のエグさを予想させます。 8→一応高野山まで19km,龍神温泉まで56kmの案内標識はあります。 9→さすがにこの狭さ,しかもガードレールなしでは大型車ムリでしょう。先ほどの標識の意味がここに来てわかりました。
10→このトンネルもすごいね。素堀ですわ。 11→延々と狭い道が続きます。高野山へは370号線+480号線の広い道があるから全然車が通りません。 12→急に開けて高野龍神スカイラインの始まりがここです。このスカイラインが有料道路から371号線本線になりました。標識は直進も旧道の371号線として残っています。
13→高野龍神スカイラインは2車線の快適道路でこれまでの狭路酷道から一変します。 14→奈良県と和歌山県の尾根上まで来るとドライブインなどもあります。 15→この標高950m附近の箕峠が旧371号線と合流するところで、スカイラインが本線になる際に国道指定から外れました。(但し480号線との重複区間は480号線として健在)
16→標高1300m近くのごまさんタワーの駐車場は辺り一面ガスっています。
(2012年に道の駅に昇格しました)
17→龍神温泉までひたすら下ります。 18→龍神温泉まで下ると平坦で走りやすい道になります。
19→日高川に沿った425号線との重複区間はおおむね2車線の道です。 20・21→日高川沿いは425号線として分かれて単独区間になりますが、いつのまにか県道735号線の表記になります。この通行不能区間は端点がわかりにくいです。
22・23→371号線として工事をしている区間に入り込みましたが、工事が途中で中止になり行き止まりでした。ナビでは赤色の国道で表示されています。 24→そして峠を越えてまた広い道になったらいきなり371号線の表記になっています。この本宮や新宮の距離は311号線から168号線を経由しての距離と思います。
25→ちょっと長めのトンネルも開通していますが、電気がないので暗いです。この写真はフラッシュを使いました。 26→1.5車線くらいの狭めの道も残っています。 27→311号線の分岐点です。371号線の方向は全く表記されていませんが、右の田辺方面に行きます。
28→4kmちょいでまた単独区間に入りますがここからの371号線が大変なんです。集落地区からこの狭さです。 29→この辺りはまだ拡幅されてマシなほうです。 30→橋本~高野山に行く時の道よりも狭いと感じました。
31→合川ダムのダム湖を渡る橋ですが、しょぼい造りですね。 32・33→さらに峠道は狭い道が続き、ガードレールもなく、あまり車が通らないから中央部に枯れ葉が積もっています。
34→「371EP」はEnd Pointの略なのでここが端点でここから左に続くのが玉の谷林道と思います。 35→国道不通区間をつなぐ玉の谷林道ですが、落石も放置プレイ状態ですわ…。 36→ここからまた371号線になります。結構車が停まっているのは渓流釣りの関係の人と思います。
37~39→古座川町内も狭い道が続き、それがいつまで経っても景色が同じような感じなのでだんだん疲れてきます。道の真ん中で工事をするからしばらく通れなくなるし(中央写真)…。
40→一枚岩という名勝のそばにできた道の駅「一枚岩」です。小さな道の駅です。 41→終点が近くなると道幅も広くなってきます。 42→いきなり出てきた42号線との高富交差点が終点で海まですぐです。