国道168号線                

①快適さ→★★★(奈良県北部区間は比較的時間がかかりますが、あとは快適でしょう)
②退屈度→★★★★(五條からの後半は非常に退屈しない道です)
③整備度→★★★(昔に比べると相当よくなりましたがまだ狭路も残っています)
④景色→★★★★★(渓流に沿った山道でこれは文句なし)
⑤施設→★★★(五條~新宮は昼間はGSや食事処もあり大丈夫でしょう)
⑥観光地→★★★★★(生駒山・信貴山・谷瀬吊り橋・十津川温泉・熊野本宮大社など)
 
総合評価点
79
正規区間 起点 和歌山県新宮市(橋本) 終点 大阪府枚方市(天の川)  183.8km
実質区間
(端末重複区間)  
起点側 なし 0.0km 183.8km
終点側 なし 0.0km
重複区間
単独キロ  
上位 国道24号線⇒奈良県五條市(本陣)~大和高田市(東室) 20.0km
国道166号線⇒大和高田市(東室~長尾) 5.8km
国道25号線⇒奈良県王寺町(本町1)~斑鳩町(竜田大橋) 1.9km
▲27.7km 156.1km
下位 国道311号線⇒和歌山県新宮市(宮井)~田辺市(本宮) 10.0km
国道425号線⇒奈良県十津川村(ワラビ尾~滝) 8.9km
0.0km
未開通区間 なし   0.0km
海上区間 なし   0.0km
本線に並行する
主なバイパス  
十津川道路 奈良県十津川村(折立~小原)
 
2011年9月に4.3kmが開通(旧道も国道として残っている)
平群バイパス 奈良県平群町(平等寺)~生駒市(小平尾町)
 3.4kmの区間はバイパスも旧道も国道で健在
経由地 和歌山県 新宮市,田辺市   
奈良県 十津川村,五條市,大和高田市,香芝市,王寺町,斑鳩町,平群町,生駒市
大阪府 交野市,枚方市
道の駅 (1)瀞峡街道熊野川(和歌山県新宮市)【和歌山-11】
(2)奥熊野古道ほんぐう(和歌山県田辺市)【和歌山-13】
(3)十津川郷(奈良県十津川村)【奈良-7】
(4)吉野路大塔(奈良県五條市)【奈良-1】
(5)へぐり(奈良県平群町)【奈良-10】
接続国道・高速道 【和歌山県新宮市】→国道169号線(下北山・吉野・奈良方面) 国道42号線(串本・田辺方面/熊野・尾鷲方面)
【和歌山県田辺市】→国道311号線(中辺路・田辺市内方面)
【奈良県十津川村】→国道425号線(下北山・尾鷲方面/龍神・御坊方面)
【奈良県五條市】→国道24号線(橋本・和歌山方面) 国道310号線(河内長野・堺方面)
【奈良県御所市(重複区間)】→国道309号線(富田林・大阪方面/下市・天川方面)
【奈良県大和高田市】→国道24号線(奈良・京都方面) 国道166号線(羽曳野方面)
【奈良県香芝市】→国道165号線(橿原・桜井・名張方面/柏原・大阪方面) 西名阪道(香芝IC)
【奈良県王寺町】→国道25号線(八尾・大阪方面)
【奈良県斑鳩町】→国道25号線(天理・伊賀方面)
【奈良県生駒市】→国道308号線(奈良方面/暗峠・大阪方面) 第二阪奈道路(壱分IC,小瀬IC)
            国道163号線(四条畷・大阪方面/木津川・伊賀方面)
【大阪府交野市】→第二京阪道路(交野南IC)
【大阪府枚方市】→国道1号線(京都・大津方面/大阪・神戸方面)

●実走レポート(2005年8月/2009年6月)
この国道はもともとは五條~新宮に抜ける山岳縦断国道でしたが、枚方~生駒~大和高田があとから追加で国道指定され、現在のルートになっています。特に南側の区間は、険しい山間部を縦断するため、私が学生の頃は酷道の代表格でしたが、各所でバイパスや拡張工事が行われ、現在はまあ走りやすい道になっています。また、雨の多い紀伊半島なので、大雨・台風などによる災害普通も度々発生し、2004年に起きた大規模な地滑りでは復旧までに3年半もかかりました。だから雨天時はこの国道を通行すること自体もよく考えないと、災害で孤立させられますので注意してください。
【第1区間(枚方~大和高田)】
出発は枚方市の1号線:天の川交差点ですが、168号線の案内が「王寺」と書いてあり、奈良県育ちの私ならともかく、普通ならピンとこない場所です。「生駒」か「大和高田」にすべきです。生駒までは2車線の道で整備されているので、思っているより早く奈良県に行くことができます。交野の新磐船トンネルの手前で川を流すトンネルが道路トンネルと同じ大きさなので、錯覚させられる場所があります。奈良県に入るために峠道を上りますが、奈良県に入ると下り道にならずにすぐに開けているため、大阪府と奈良県の標高差があるということでしょう。生駒~平群~王寺~大和高田は奈良県の住宅街を抜けるルートなので景色も変化がなく、交通量も多いため走りにくくなっています。平群あたりは新道バイパスが部分的にありますが、かえって中途半端であまり機能していません。斑鳩で25号線と、香芝で西名阪道と接続しています。大和高田から五條までは24号線との重複区間になっています。
【第2区間(五條~新宮)】
五條からすぐに吉野川を渡ると、山の中に入り交通量も急に減ります。途中に立体交差で何回かクロスするのは、旧国鉄が「五新線」を作るために建設した鉄道が途中で廃止になり、それを路線バス専用道に改良したものです。でも実際は168号線を通る方が集落が多いため、バス専用道も廃止の検討になっています。西吉野トンネル(延長940m)を抜けると、旧西吉野村の中心になる城戸ですが、一部に軒下酷道のような場所が残っています。ここから新天辻トンネル(延長1,174m)まで一気に上り、トンネル通過後は一気に下ります。ここを境に紀ノ川水系から新宮川水系に変わります。旧大塔村あたりの猿谷ダム付近はまだ狭路区間が残っている場所で、ダム湖もあり油断すると転落の危険性もあります。2008年に落石で通行止になり、私が通った1年後も片側通行・時間帯通行止で復旧されていました。「日本一面積の広い村」といわれる十津川村に入ると、上野地集落に日本一の吊り橋といわれる「谷瀬の吊り橋」があります。この吊り橋のが国道沿いにあったから、観光客と駐車車両で渋滞がよく起こっていましたが、現在は橋を避けるように上野地トンネル(延長764m)が開通し走りやすくなりました。十津川村は狭路と拡張工事が完了した部分が混在していますが、風屋ダム付近は急カーブも多く、夜間に飛ばしすぎるとダム湖に転落する危険もある場所です。十津川の中心部は温泉旅館もあり、休日のほうが賑やかです。この温泉街も下流にある二津野ダムのダム湖畔にあります。
ここから南側はさらに新宮川沿いに続きますが、狭路がなくなるためさらに走りやすく、道の駅なども適度にあります。奈良県の末端部分で自専道なみのきれいな高架橋になり、土河屋トンネル(延長970m)を抜けると和歌山県に入ります。田辺方面の311号線との交差点は旧道と新道があり、旧道が湯の峰温泉経由,新道が渡瀬温泉経由になっています。旧熊野川町(現在は新宮市)に抜けるためのショートカットでしてできた東屋敷トンネル(延長1,380m)がこの国道の最長トンネルになります。169号線を渡る宮井大橋,少し先にある三和大橋を過ぎると、新宮川(熊野川)は42号線まで約20kmも橋がありません。水量が多いせいかもしれませんが、川の両側に道・集落があるにもかかわらず橋がないのが不思議です。やがて新宮川と離れ、短いトンネルを越えると42号線の橋本交差点で終点になります。

●沿線フォトギャラリー  
1→起点の天の川交差点ですが、168号線の方面表示で「王寺」はわかりにくい地名ではないでしょうか? 2・3→最初は天野川の土手沿いの道ですが、交通量の割には狭いです
4→この新磐船トンネルは左が168号線で、右が天野川のトンネルです。 5・6→大阪府と奈良県の境目ですが、標識がかくれていて峠になっていないから見落としやすくなっています(奈良から大阪への標識は左写真のように目立ちます)
7→生駒~王寺は奈良県の住宅密集区域です 8・9→斑鳩町で25号線と重複しますが、国道標識はW(ダブル)になっています。
10→大和高田市で166号線と合流します。ここから166・24号線と重複しますが168号線を示す標識はありません 11→五條市(本陣交差点)で本来の168号線が始まります。ここは310号線の終点にもなります 12→国鉄を建設する予定だった五新線で現在は路線バス専用道になっています
13→五條から先はこんなにガラガラの快適道路です 14→「賀名生」と書いて「あのう」なんて誰が読める? 15→延長940mの西吉野トンネルで以前は五條市と旧西吉野村の境目だった(今は五條市に合併)
16→旧大塔村にある道の駅大塔 17・18→猿谷ダムの周辺はダム湖に沿った狭路区間になっているため、地滑りなどによる災害も多い区間です
19→旧大塔村でも温泉はあります 20→狭路区間を解消するように新道の工事も行われています 21→結構走ったようでもまだ新宮まで92kmもあります
22→上野地(=谷瀬の吊り橋)の渋滞解消のために造られたバイパスで集落の部分を一気にトンネルでショートカットします 23・24→日本一の高さを誇る谷瀬の吊り橋。観光客はワイヤーにつかまりながらそろそろ渡っているのに、地元の人は自転車でも渡るから結構チャレンジャーです。私も何度か渡りましたが、板のない両端は結構こわいですね。
25・26→新宮川の上流から2番目になる風屋ダムで一番ダム湖が大きかった 27→十津川村役場附近にある道の駅十津川郷は足湯もありました
28→日本三大酷道といわれる425号線(尾鷲方面)との分岐です 29・30→十津川温泉街はわりと旅館が多くあります。バス停の横には温泉を10リットル200円で販売している自販もありました
31→奈良県の最後の部分で非常に立派な高架道路ができていました 32→この土河屋トンネルを越えれば和歌山県になります 33→道の駅「奥熊野古道ほんぐう」はこの国道でも規模の大きな道の駅です
34→遠くに見えているのが北山川と合流してさらに川幅を広げている場所です 35→瀞峡のウォータージェット船に乗る場所です 36→最後の道の駅になる「瀞峡街道熊野川」
   (2013年現在台風で流出して改築中)
37・38→とにかく大塔村からずっと川沿いに沿っています。このあたりは河口が近づいているにもかかわらず両側を結ぶ橋が全然ありません 39→42号線と合流する橋本交差点が終点になります